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2人用AI*その2#毎週ショートショートnote

山の奥の秘境と呼ばれる場所から、10年ぶりにキャッチした電波は、微弱ながら存在感を出していた。我々TVクルーは電波を追い、秘境へ取材を敢行した。だが秘境への道は遠い。
電波だけが頼りの中、険しい山道を登り野宿をし、やぱり幻だったのかと諦めかけたその時、我々の目の前に秘境と思わしき、シェルターのような建造物が現れた。

電波は確かに2人用AIから発せられている。
それが確かならここに生存者が2名いるはずだ。
なんとか侵入したい。もし取材できるなら地球最後の人間だ。

交渉を試みるが、応答がない。言語が違うのかと翻訳機を使い何度も話しかけるが、無音のままの時間が過ぎる。この中の人間はどうやって生命維持をしているのだ?食事は?空気は?水は?そして人間は孤独に耐えられないはずだ。だから2人用AIの電波をキャッチしたのだ。

最後の手段、透視を実行した。

中では、王と妃が晩餐会の会場でワインを飲んでいた。
だがそれはどう見ても人間の体じゃない。
「亡霊か!」
我々は人間の執着を思い知ったのだった。



たらはかに(田原にか)さんの企画におかわり参加させていただきました。

#毎週ショートショートnote



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