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【宝飾時計】過去とともに今を生きること。息を呑む迫真の演技の連続。

■出演者さんの幼少期と現代の演じ分けは本当にすごい。
声の出し方、まばたきの仕方、目の表情、佇まい。
観ている私たちもちゃんと一緒に、時代を行き来できる。

■お芝居はもちろんのこと、演出もすごく良い。
過去と現在を照明で見せる(照明の違いで表現してる)の見やすい。好き。
あれだけ時代が行き来してるのに、最低限の演出のみで、観ている人を混乱させずにきちんと理解できるように組み立てられているのが素晴らしい。

■バイオリン奏者の方がずっと舞台上に、1人の演者としてそこにいる。
バイオリンさんも含めて、ひとつの舞台(構図)が完成する感じも観ていて心地いい。
バイオリンさんのいる位置や佇まい、目線の移動や表情もいいし演者の息に合わせて
の効果音がすごくきいてる。
バイオリンさんが演者さんを見てる目もいいし、地味に移動したりしてるのもいい。

■まりえの衣装が幼少期と現在で若干違うとか、細かい演出も素敵。(ガラッと着替えるのではなくてカラーの部分で印象変える感じがいい)

■加湿器の蒸気がスモーク代わりになっていて
それも生かしながら場面転換/雰囲気をがらりと変える演出も好き。

■「君の複雑さのためなら自分の複雑さはどうだっていいんだよ」←グサッ

■ 円盤が回るだけのシンプルなセットなのに、角度が変わるだけで、楽屋に見えたり、家に見えたり、レストランに見えたり。
アンティーク調のインテリアが無造作においてある、と見せかけて綿密に精巧に計画されているセットはもう芸術。
それに加えて、最低限のセットにも関わらず、そのシーン/情景が見えてくる、想像させてくれる、演者さんの演技力は脅威。

■第二幕。演者さん自らが小道具を運んだりセットを調整したり。出演者でありながら黒子でもあり、全員が舞台を作り上げている感じがたまらなかった。

■最後の歌は圧巻。サビ以降は常に鳥肌。
特にがなるところは迫力すばらしく。
皮膚が痛くなった。ビリビリビリ

■最後のシーンだけ星が瞬いた、尊かった。泣いた。

■「洗練されている」というのはこういうこと言うんだ
って、脚本にもお芝居にも演出にも、魅せら続けた2時間40分でした。

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