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キャラバン・サライに日本式のこたつが!(アフガニスタン)1973年1月カメラ:マミヤセコール500DTL+コダクローム


 テヘランから国境まで汽車に乗る。
イラン・アフガン国境で線路が切れる。
そこからはバス。
アフガン首都カブールまで行く。
途中で夜になると、砂漠の真ん中で寝る。
キャラバン・サライ、宿屋がある。
アフガン高原はかなり寒く雪が降っていた。
気温は氷点下。
キャラバン・サライは土蔵の宿屋。
土間に絨毯を敷き、そこにコタツがあった。
砂漠のキャラバン・サライに日本式のコタツ。
無性に日本が懐かしくなる。
手足を突っ込んで寝た。
すごく暖まりはしたが、それでも寝袋が必要だった。
寝袋を出したかったが、パックはバスの屋根の上。
外は真っ暗闇で、おろせなかった。
夜が更け、だんだん寒くなってくる。
こたつの火種は無煙練炭。
冷えてはいたが、こたつがあるのは助かった。
アフガン国境からヘラート、カンダハル、カブールまではかなりの距離。
モスレムの人たちと旅をすると、礼拝時間には全員がバスを降りて一メートル四方の絨毯を雪の上に敷き、膝を屈してメッカの方向アラーの神に祈りを捧げる。
一日に五回。
八百万{やおよろず}の神々を平然と受け入れて旅をしていたので、キリスト教・回教・仏教・ヒンズー教の地域を通る際にも、特別な宗教観は持っていなかった。
宗教心は持っているが。
写真を撮ったりして、のんびりしていた。
モスレムの人たちはほんとに熱心だった。

「ひとりぼっちの地球街道」出版社:悠飛社

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