もはやあの人にまつわる記憶の一部
アイドルの曲や、J-POPチャートで上位に入る楽曲を好んで聴く私。
早口の英語の歌詞で、叫ぶような歌声が何箇所もある音楽をいつも聴いてるあの人。友達とバンドを組んで、時折ライブなんかもしてるって聞いた。
そんなあの人に近づきたくて、
「おすすめのバンドとか、アルバムとか、ある?」
って思い切って質問したら、教えてくれた一つのバンド。
分かりやすく私の背中を全力で押してくれるアイドルソングとは全然違って、何について歌っている歌なのか、ただ聴いただけじゃほとんど分からない。
でも、確かに歌詞は英語だけど、歌っているのが日本人だから聴きやすかった気がする。
シャウトもするけど、きれいなメロディラインも多くて、ロックバンド初心者の私でもすんなり聴けた。
本当に心からおすすめしてくれたのか、ロックに免疫のない私に合わせくれたのかは、分からない。たぶん前者なんだろうな。
あの人のことを想うたび、繰り返し繰り返し聞いていたから、耳にも身体にも馴染んでいる。
だけど、私がこのバンドの音楽を心から好きかどうかは、分からない。
大好きだったあの人と、切っても切り離せない曲ばかりだから。聴いたらそれはもう、ぎゅっと嬉しかったり、じっと悲しかったり、そんな記憶ばかり蘇る。
この先もずっと、このバンドの曲を聴くたびに、思い出し続けるんだろうな。
このバンドの音楽が、好きか、好きじゃないかは、分からないけど。
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