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あの時の本棚から、何冊か借りてきたい

私がまだ小さかったころ。幼稚園から小学校低学年くらいの記憶。

家族みんなで寝ていた部屋の端っこに、大きな本棚があった。

お母さんやお兄ちゃんの本も置かれていたけど、下から二段が私専用の棚で、買ってもらったりお兄ちゃんからのお下がりの絵本を並べていた。

日本昔話シリーズ。

グリム童話シリーズ。

人気の絵本作家さんの本たち。

昔話の絵本が大半を占めていた。たくさん並んだ中から、毎晩一冊を選んで、母に読んでもらっていた。

今日は何を読んでもらおうかな、とわくわくしながら本棚を眺めていたことは、うっすら覚えている。その時本棚に背表紙が並んでいる光景は、結構はっきり覚えている。

バランスよく色んな話を読んでもらう時もあれば、お気に入りの絵本ばかり毎日読んでもらっていたこともある。子供ながらに、シンデレラがドレスを着ている挿絵には憧れていて、読んでもらう回数も多かったんじゃないだろうか。

「一寸法師の絵本を読んでいる時、『お椀の船で都に着きました』っていうシーンであなたは『もう着いたの?』って驚いてたのよ。面白いわね」

と母におかしそうに言われたことがある。記憶はないが、私なら言いそうだ。


大人になり、母になり、今は子供たちに絵本を読んであげている。

最近、娘がEテレで放送されている「ツバメ」(YOASOBI)にはまっていて、歌いながら踊っている。それを一緒に聴きながら、「幸福な王子」の絵本は持ってないな、と思った。あの話を知ってると、この曲の理解も増すだろう。

子供たちの本棚は、彼らが読みたい本をと思って買ってあげているから、絵本作家さんの本が多めで、昔話とかは、そういえば数も少ない。

人気の絵本も素晴らしいけど、ずっと昔の物語も、もう少したくさん聞かせてあげたいな。

私の小さい頃の本棚から選んで、娘に絵本を貸してあげたい。そんな気持ちだ。

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