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『雪のなまえ』村山由佳

学校行きたくない、学校行けない
ということに関わったことのある人は
絶対に共感できることがあると思います!

ちなみに私は、
自分自身が不登校だったこともないし
自分の子どももいないけど
めっちゃ泣きながら読みました😭



不登校になった小学5年生の女の子、雪乃。

原因はクラスでのいじめ、仲間はずれ。

自分を大事に育て、期待してくれている母を
悲しませたくないと
つらい思いをなかなか言い出せない雪乃。

相談もなく突然仕事を辞めて
学校なんて無理して行くことないと
娘を連れて田舎へ引っ越すと言い出す父、航介。

完璧主義で責任感が強く
娘にも道を外れず幸せになってほしいと
東京での生活と娘への期待を捨てられない母、英理子。

航介の祖父母が暮らす長野の田舎での生活を通して
田舎特有の濃い人間関係に苦労しつつも
その温かさに助けられて

親子、家族という関係を越えて
雪乃、航介、英理子が
ひとりひとりの人として向き合い
尊敬しあうようになっていく。

母と娘が離れて暮らすようになったことで
むしろうまくいく。
そんな関係もあっていいなと。
別に一緒にいてうまくいかないから母親としてどうだとか、
これまでの育て方のせいでこうなったとか、
そういうんじゃなくて
今これからどう関わって、何を伝えたら最善かって
前向きに考えていけばいい。

はじめ、田舎での「よそ者」や「不登校」への
風当たりは強い。

何を言っても、
いつまでいるかわからない
どこまで本気かわからない
と相手にされない。

しかし、毎日祖父の畑を手伝い、
幼馴染の協力もありながら
少しずつ変化していく。

一度仲間として受け入れてくれたら
田舎の人間関係は温かい。

人を変えるのは、
やはり人の気持ちなんだと、改めて感じた。


みんなみんな自分の人生を必死で生きている。

自分の生活を守るためにがんばっている。

それを他人が、
たとえ家族であっても本人以外の他者が、
ダメ出しする資格はない。

あたりまえだけど難しい。

つい自分のものさしで物事を見てしまう。

そのものさしだってその人の経験の中で
つくり上げてきた物だから
それ自体はいいんだけど、
相手にも、生きている年数やしてきた経験にかかわらず
同じようにその人だけのものさしがあって
それをお互いに尊重し合えるといいな。

指導とか、批判とか、攻撃とか
そういうことじゃない。

ただ、
私はこう思うけどどう思う?
あなたはそう思うんだね。
っていう対話ができるような関係でいたい。

そして時には
自分のものさしだって形を変えていいし
あなたの言葉で相手のものさしが変化するかもしれない。

そうやって
今、目の前にいる人を
私はちゃんと大事にしたい。

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