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星占いの星座は宮かサインと呼ぶべき!

牡牛座=おうし座ではありません!
星占いの星座は、実際の空の星座とは別モノです。星占いの星座は宮かサインと呼ぶべきです。
牡牛座新月は、実際の空ではおひつじ座にありました。星占いの星座は、実際の空では、たいてい、ひとつ前の星座になります。

参考記事:


星占いの星座は宮またはサインと呼ぶべき

日本語では、星占いの星座と実際の空の星座が同じ呼び方なので、混乱を招きます。厳密には、星占いの星座は漢字表記、空の星座はひらがな表記として区別はあるのですが、それでも発音は同じです。

英語で、星占いの星座は sign(サイン)、空の星座は constellation(コンステレーション)と言います。
日本語では、星占いの星座は宮またはサインと呼ぶべきです。

はるか昔、占星術が、バビロニアや古代ギリシアなどの西欧→インド→中国を経て、平安時代に宿曜道として日本に伝来したときには、中国にならい、黄道12星座を宮と呼んでいました。
現在でも、宿曜占星術では、12星座を宮と呼びます。

〈宿曜占星術の12宮〉
♈羊宮(ようぐう) ♉牛宮(ごぐう) ♊夫妻宮(ふさいぐう) ♋蟹宮(かいぐう) ♌獅子宮(ししぐう)♍女宮(にょぐう)♎秤宮(ひょうぐう)♏蠍宮(かつぐう)♐弓宮(きょうぐう)♑磨羯宮(まかつぐう)♒瓶宮(へいぐう)♓魚宮(ぎょぐう)

♊双子がペアの意味になり、カップルから夫妻になっているのはおもしろいですね。
♑磨羯はインド神話に登場する、怪魚マカラに由来します。ギリシア神話の、上半身が山羊で下半身が魚の牧神が占星術とともにインドに伝わり、下半身の魚からマカラをイメージしました。

〈西洋占星術の12宮〉
一応、専門書などでは宮と表記しています。
♈白羊宮(はくようきゅう)♉金牛宮(きんぎゅうきゅう)♊双子宮(そうじきゅう)♋巨蟹宮(きょかいきゅう)♌獅子宮(ししきゅう)♍処女宮(しょじょきゅう)♎天秤宮(てんびんきゅう)♏天蝎宮(てんかつきゅう)♐人馬宮(じんばきゅう)♑磨羯宮(まかつきゅう)♒宝瓶宮(ほうへいきゅう)♓双魚宮(そうぎょきゅう)

現代西洋占星術から気軽な星占いへ

西洋ではキリスト教の影響で占星術が衰退し、17世紀には天文学者のヨハネス・ケプラーたちが、天文学研究の資金源として細々と占星術を続けていました。
18世紀には地動説や力学といった科学の発展が天文学に導入され、天文学と占星術が分離し、占星術は日陰の存在として忘れ去られました。
19世紀にオカルティズムと占星術の復興運動がおこり、神智学会や学会会員のアラン・レオたちが、古典占星術に神智学の概念(太陽信仰など)や心理学を取り入れて、現代占星術として復興させました。
出生時の太陽が位置する星座(サイン)で性格や運勢を占うサン・サイン占星術は、出生時間が不明でも占えます。
1990年代に、イギリスとカナダの新聞記者が書いたでたらめな12星座(サイン)占いの記事が大ヒットして、星占いは一般市民に受け入れられました。

気軽に占える12星座(サイン)星占いを、日本でメディアが広める際に、星座を〇〇宮ではなく〇〇座と表記してしまったのが、混乱のはじまりです。
白羊宮(はくようきゅう)などの音読みになじみにくければ、牡羊宮(おひつじきゅう)としてもよいと思います。
今からでも、星座は宮かサインと呼ぶべき!


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