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R君の元カノ(1)


「俺が毎日ご飯作ってあげてさ、仕事から帰ってきたら「ご飯まだなのー?」って。男と女が逆転してると思わん?
外食する時は、いつも決まって居酒屋。俺は定食屋が良いのに」
R君は運転しながら、元カノの話を1時間以上もしてきた。

初めてのデート。夜のドライブ。
前の彼女の愚痴を聞かされてるのだけど、私はその人の事が羨ましくなった。
私はそんな風に、恋人に大事にされた事がないから。

R君はその人と別れたばかりで、まだ同棲中なんだと言う。
この日は、長い時間ドライブして家の近くまで送ってもらった。
それから、1ヶ月以上経つが何の音沙汰もない。
羨ましい。羨ましいが消えない。
どうにかしてあの娘になりたい。


つづく


#小説 #元カノ  

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