見出し画像

R君の元カノ(3)

鍋から、黒い小人が出てきた。

「おい!こんなにしょっぱい水で浸け置きしやがって!何考えてんだ、お前は!!!」
「お汁粉を作ろうと思って…。」

「しょっぱい…。真水が好きなのに!なにこれ!?塩ではないな。」
「私の涙…。」

「馬鹿じゃないの。食えたもんじゃない!全部涙?」
「うん…。」

「弱虫な人間め…。何があったか分からんけど、どうしたんだよ。」
「(人間じゃないから言っても誰にもバレないか)好きな人の元カノになりたくて…。」

「はあ?意味分からん。」
「私は、彼女になれなかったから。」

「元カノになってどうするの?」
「えっ。どうするんだろう。」

小豆の小人は、私を鍋の方へ手招きした。

つづく…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?