📖#8 千年前の和風シンデレラストーリー『和泉式部日記』
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弟宮に散々「私のお邸にいらっしゃい」と誘われたけれど、不安いっぱいでなかなか決心出来ない和泉ちゃん。
弟宮はまたしても和泉ちゃんの悪い噂を信じて嫉妬したり(いい加減、学んでくださいよ、皇子)「私がこのまま出家してしまったらどうする?」と試すようなことを言って和泉ちゃんを泣かせてしまったり、歌を詠んだり、歌を詠んだり、やっぱり歌を詠んだりしながら月日が経ちます。
もうこのまま進展がないのか……と思いきや、ついに弟宮が重い腰をあげます!
弟宮「私が直接行って、和泉を私の屋敷に連れてこよう」
やっとのことで、決意して行動に移すことにしました。(最初からお前が動けよ)
弟宮、強行突破!
和泉ちゃんを自分のお屋敷に連れてきて住まわせてしまいました!
やり方は強引ですけど、弟宮、やれば出来るじゃないですかー!
正妻や正妻にお仕えしている使用人である女房たちは怒りました。
そりゃあ、そうですよね。
夫の愛人と同じ建物に住むなんて地獄です。
弟宮が事前の相談もなく独断で決めてしまったことに、正妻はひどく傷つきますが、弟宮は謝りもなぐさめもせず、「あなたが使用人たちをちゃんと管理しないから私の世話をする者がいなくなってしまった」と正妻のせいにします。
この言い訳、無理がありますよねー。
弟宮が勝手に和泉ちゃんに惚れて連れてきたのを、正妻のせいにするなんてひどいです!
さらには、傷に塩を練り込むかのごとく「これからは私の世話は和泉にさせます。あなたの世話もするよう貸してあげましょうか」とか提案する始末。侮辱もいいとこですね。
自分は傷つきやすいくせに、正妻を傷つけるのは平気だなんて冷酷すぎ。
和泉ちゃんはやっぱり悪口を言われてしまいました。
超人気アイドルの恋人も、ファンからとてつもない嫌がらせを受けるらしいですし、ましてや和泉ちゃんの場合はイケメンなうえにロイヤルなプリンスなので、これは当然のなりゆきですね。
それでも、弟宮が昼も夜も傍において溺愛してくれるので、お屋敷に来る前よりも、和泉ちゃんの心は満たされています。
正妻への罪悪感はあるけれど、和泉ちゃんにはどうすることも出来ません。
可哀想な正妻を心配して、高貴なお姉様が手を差し伸べてくれました。
自分の妹が、夫が連れ込んだ愛人と一緒に住んでいて、世間から笑いものにされていたら、姉としては何がなんでも助けますよね。
「そんな男とは別れなさい!」と言ってやりたいところですが、夫はこの国のプリンスです。簡単には離婚出来ません。
性格に難ありでも、身分としては最高クラスのイケメンなので我慢するしかありません。
和泉ちゃんの心は締めつけられましたが、それでも弟宮との恋を諦められませんでした。
ここで自分も実家に帰ってしまったら、世間からは「自分のしでかしたことを反省したのか。いい気味だ」と思われてしまいます。そんなのは嫌です。
こちらは悩みに悩み、相当の覚悟をもって、弟宮の傍にいることを選んだのですから。
あちらを選んでも、こちらを選んでも、悩みは尽きない恋愛をする和泉ちゃんなのでした。
なんとびっくり!
『和泉式部日記』は、ここで終わってしまうんです!
最後は弟宮の正妻が出ていってしまうところで完結です。
うーん……なんとも消化不良。
日記はここで終わりですが、その後の和泉ちゃんと弟宮がどうなったのかは次回に。
続きます。
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