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📖乙女の古典

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昔の日本女性が書いた古典を分かりやすく紹介&突っ込みを入れるマガジンです。今読んでも充分面白くて共感できますよー。お暇つぶしにどうぞ。
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📖#6 冷笑と筆で戦う明治のボンビーガール『樋口一葉日記』

▼前回はコチラ ▼最初から読みたい方はコチラ 【前回までのあらすじ】プロの小説家になって、原稿料で母と妹を養おうと考えた一葉女史。知り合いが紹介してくれたプロ小説家の半井桃水は優しいイケメンだった!桃水に恋をしつつ、一葉女史はせっせと小説を書き続けるのだった。 ◆1891年(明治24)一葉19歳お友達から桃水のスキャンダルを聞いた一葉女史は、しばらく桃水のところに通わなくなります。 独身の乙女を妊娠させておきながら、彼女を一人で故郷に帰すなんてクズ男のすることなので、

📖#5 冷笑と筆で戦う明治のボンビーガール『樋口一葉日記』

▼前回はコチラ ▼最初から読みたい方はコチラ 【前回までのあらすじ】小説家になって原稿料で母と妹を養う決意をした19歳の一葉女史。小説の書き方を教わるために友人に紹介してもらったプロ小説家は、30代の優しいイケメンだった。そんなイケメンに、乙女が恋しないわけがないんだ! ◆1891年(明治24)一葉19歳この頃、一葉女史が住んでいた本郷区菊坂町(現・文京区本郷あたり)から、萩の舎(現・文京区春日あたり)までは徒歩で20分ほど。 ということは、一葉女史は朝7時に萩の舎に到

📖#4 冷笑と筆で戦う明治のボンビーガール『樋口一葉日記』

▼前回はコチラ ▼最初から読みたい方はコチラ 『樋口一葉日記』本編スタートです! 一葉女史は16歳の1月から、ほぼ毎日、日記を書いていますので、ほどよく省略して紹介しますねー。 ◆1888年(明治21)一葉16歳日記は、一葉女史が、スーパーお嬢様たちが通う歌の塾「萩の舎」に通っているところから始まります。 萩の舎のお稽古は、週に1回(土曜日)です。 この時点では、父はまだ存命ですが、すでに一葉女史が樋口家のトップになっていました。 一葉女史は「自分には才能がない」

📖#3 冷笑と筆で戦う明治のボンビーガール『樋口一葉日記』

▼前回はコチラ ▼最初から読みたい方はコチラ 樋口一葉女史の人生:21歳~24歳さらに引き続き、一葉女史の人生をなぞります。 ◆1893年(明治26)21歳・1月 『暁月夜』を発表 ・3月 『雪の日』を発表 ・7月 商売で生活を立てることを決意し、吉原の近くの龍泉寺町に引っ越し ・8月 吉原遊郭の近所で駄菓子屋を開業 ・12月 『琴の音』を発表 ▼吉原の近くで商売を始めたことが転機に 一葉女史は小説を書き続けますが、相変わらず貧乏でした。 悩んだ末に、一葉女史はお店

📖#2 冷笑と筆で戦う明治のボンビーガール『樋口一葉日記』

▼前回はコチラ 樋口一葉女史の人生:16歳~20歳引き続き、一葉女史の人生をなぞります。 ◆1888年(明治21)一葉16歳・2月 父を後見人として、樋口家の相続戸主になる ・5月 自宅を売却。以降、樋口家はずっと借家住まいになる。父が事業に乗り出す ・6月 萩の舎の先輩、三宅花圃が小説『藪の鶯』を出版し原稿料をゲット ▼先輩が書いた小説の原稿料が高額と知りショックを受ける 萩の舎の先輩、一葉女史よりも5歳年上の三宅花圃センパイが書いた小説の原稿料が高額(現代の83万

📖#1 冷笑と筆で戦う明治のボンビーガール『樋口一葉日記』

皆様、こんにちは。 ごきげんいかがですか。 マリナデシコです。 2024年7月にお札が新しくなりましたね。 新一万円は、我が埼玉が誇るスーパースターの渋沢栄一様、新五千円札は津田梅子様、新千円札は北里柴三郎様。 このnoteは、昔の大和なでしこを取り上げるnoteなので、新札の中では津田梅子先生に注目してます。 が、その前に! 旧五千円札の樋口一葉さんを忘れちゃダメでしょう!! というわけで、今回は明治の女性文豪、樋口一葉女史についてです。 (女史=名声のある女性へ

noteで書いた『📖乙女の古典』マガジンの年表を作ってみました!増えてきたので、少しでも読みやすくしたいなー

真葛ねえさんの『独考』全7回で完結です。人生は運ゲーだと、江戸時代の乙女も気づいていたとはびっくりですね!次回は明治時代の乙女、樋口一葉女史の予定。旧5000円札の方ですね。こちらもなかなかに個性的な生き様ですのでお楽しみに!

📖#7 「人生は運ゲー!成功もお金も運次第なんてひどい!」江戸娘、狂った社会に物申す『独考』

▼前回はコチラ ▼最初から読みたい方はコチラ 【前回までのあらすじ】独りで考えたことを『独考』に、遠慮なく好き勝手書いた真葛ねえさん。男性ではないので大好きな父の跡を継げず、「日本女性のお手本になりたい!」と願ったものの上手くいかず、せめてこれを出版したいとベストセラー作家の滝沢馬琴にお願いするのですが……。 馬琴先生、赤ペン先生になってください!女性の生きづらさ、外交問題やお金、成功するために必要な考え方など、いろんなことを書いた『独考』が、1817年、真葛ねえさんが

📖#6 「人生は運ゲー!成功もお金も運次第なんてひどい!」江戸娘、狂った社会に物申す『独考』

▼前回はコチラ ▼最初から読みたい方はコチラ 【前回までのあらすじ】江戸時代後期の仙台藩お抱え医師であり、外国とのつながりを持つ父の娘に生まれた真葛ねえさんは、外国(ロシア)と日本の違いを知り、「日本だって外国に負けないんだからね!でも、お付き合い期間のある結婚制度はいいわね」と羨ましく思うのでした。 江戸社会の女性の窮屈さや、武家の厳しい財政事情や、外国との違いについてだったり、一人で色々と考えてきた真葛ねえさん。 こんなにも色々と考えて「日本女性のお手本になるの!

📖#5 「人生は運ゲー!成功もお金も運次第なんてひどい!」江戸娘、狂った社会に物申す『独考』

▼前回はコチラ ▼最初から読みたい方はコチラ 【前回までのあらすじ】江戸時代後期のお江戸に「日本女性のお手本になりたい!」と鼻息を荒くする武家娘、その名は只野真葛ねえさん!国際的で裕福な家で育ち、コネを使って10年間お姫様にお仕えし、結婚と再婚をして仙台で人生について考えた結果、色々と気づいちゃったようです。 ここからはインターナショナルな恵まれた環境で育った真葛ねえさんによる「ここが変だよ日本人!」です。 外国の人は肉食だから… 真葛ねえさんが言っている「外国の人

📖#4 「人生は運ゲー!成功もお金も運次第なんてひどい!」江戸娘、狂った社会に物申す『独考』

▼前回はコチラ ▼最初から読みたい方はコチラ 【前回までのあらすじ】江戸時代後期を生きた、かしこい真葛ねえさんが、残酷な世界に対しての本音をぶちまける! 前回に引き続き、真葛ねえさんの江戸社会への不満が爆発します。 私、日本女性のお手本になりたい! 9歳で「日本の女性たちのお手本になりたい!」と決心した真葛ねえさん、しっかりしすぎでは? 生まれて10年もしないうちにこれって、意識高すぎません? 子どもの頃から、真葛ねえさんは日本女性のことを思っていたんですね。立派

📖#3 「人生は運ゲー!成功もお金も運次第なんてひどい!」江戸娘、狂った社会に物申す『独考』

▼前回はコチラ ▼最初から読みたい方はコチラ 【前回までのあらすじ】初婚はクソジジイが夫でしたが、再婚は理解のある賢い夫だったので安心した真葛ねえさんでしたが、大好きな父母と弟が亡くなってしまったうえに、工藤家は母方の親せきに乗っ取られてしまい、「私の人生なんだったの?」と世の中のことについて、独りで色々考えることにしたのでした。 この残酷な世界に一矢報いよ!『独考』学問を身につけて、一流の礼儀作法もマスターして、この時代には珍しい世界情勢も知った真葛ねえさん。 そんな

📖#2 「人生は運ゲー!成功もお金も運次第なんてひどい!」江戸娘、狂った社会に物申す『独考』

▼前回はコチラ 【前回までのあらすじ】江戸時代の後半、お江戸でもっともインターナショナルでお金持ちな医者の娘として生まれた只野真葛ねえさん。さぞ順風満帆で幸せな人生を送る勝ち組の人生と思いきや……!? 私の残念な初婚お父様は「真葛が結婚したら、来年から私は「おじいさん」になっちゃうからなー。早く結婚したら困るなー」と、ごまかしてますが、本心はかわいい愛娘をまだ手元に置いておきたかったんだと思います。 お母様は若い時に結婚してしまい、自分の好きなことが出来なかったので、娘