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🌸#2 愛情表現下手は嘘!?大和男子なら「好き」って言ってね

↑の続きです。


武士から始まった男子の愛情表現下手

大和男子のストレートな愛情表現がうかがえる和歌を並べてみましたがどうでしたか?

選んだ歌が『万葉集』ばかりになってしまったことはお許しください。
『万葉集』が一番素朴でストレートな意味を持つ恋の歌が多かったので、つい多くなりました。
(和歌がたくさん生まれた平安時代は、難しい歌のルールが出来てしまったせいで、表現がまわりくどくて分かりづらいんですよね)

中世までの日本男性はしっかりと愛情表現をしていたのに、近世以降はどうして愛情表現下手になってしまったんでしょうか。

その理由は武士の登場にあります。

平安時代までは天皇の親戚になることで出世して絶大な権力を握っていた貴族でしたが、屋敷のボディガードだった侍(のちの武士)がどんどん力をつけていき、あっという間に権力を奪われてしまいます。

西日本のあちこちで戦がおこり、武士たちは最終的に東日本の鎌倉に幕府を作ってしまい、京都に住む貴族たちは芸術的センスはあるけど権力もお金もない状態に。
どこの国もそうですけど、暴力が一番強いですね。

さて、貴族から暴力で奪い取った武士の時代ですが、さらに強い暴力があればトップになれる時代でもありました。

力があれば、たとえ下っ端の兵士でも殿様を倒したら、次の日から自分がお殿様になれる下剋上が可能。
誰が敵になるかわからない戦国時代になると、感情をそのまま表現するのは危険です。

武家社会の女性は政略結婚で敵対している家に嫁いで、実家と嫁ぎ先の国を結ぶ交渉役だったりスパイだったりしました。当然、そこに恋愛は不要です。

平和な江戸時代になると、庶民でも恋愛結婚は少なく、基本的にはお見合いや跡継ぎ指名だったりします。

▼江戸時代の婚活方法については↓コチラをご覧あれ

江戸時代は戦がない、つまり武家にとってこれ以上の出世は期待出来ないばかりか、徳川将軍家に何か失礼があったらすぐに財産や武士の身分を没収されてしまう危険があったので、武士は感情を出さず無表情でいるようになりました

怒り、悲しみ、喜びなど人間として当たり前の感情を何事もなかったかのように受け流すことが武士としてかっこいいとされたんですね。

しかも、この頃、『女大学』という女性用教科書が出版されて、日本全国に広がるんですけど、この内容が最低です。

「女性は夫に従いなさい」
「義理の両親を実の両親以上に大切にしなさい」
「こういうことをする女性は離婚されて当然」
などなど、夫と夫側の両親にとって、かなり都合のいいことばかり載ってます。
現代の女性が読んだら、絶対にイラっとする内容です。

ちなみに、こんな教科書があったせいなのかはわかりませんが、江戸時代の離婚率は現代日本と変わらないか、それよりも少し多かったそうです。


現代は恋愛結婚主流なのだから伝えましょう

そういうわけで、大和男子は徐々に感情を表さなくなり、女性に愛情表現しなくても、親や知り合いが結婚相手を用意してくれました

戦後までは!!

恋愛結婚が主流になって、もう50年以上も経過しているんです。

江戸幕府が倒れて150年以上も経ってますし、愛情を言葉にしても顔に出してもお家取り潰しにはならないので、ストレートに愛情表現していいんですよー。

これは男女ともにそうだと思うんですけど、まわりくどく駆け引きされるよりも、「あなたが好きです!」って素直に告白した方が恋愛成就する確率は高いですよね。
(ストーカーなどの一方的な押しつけ感情は除きます)

ちなみに、最近増えている夫が退職後の熟年離婚ですが、妻は

「夫が退職したら、仕事のせいでこれまで少なかったコミュニケーションをもっと取りたい」

と思うそうなのですが、肝心の夫はというと

「せっかく仕事から解放されたのだから何もしたくない。これまでどおり、家事は妻にやってもらいたい。自分一人で出来る趣味に没頭したい」

と思う人が多く、このすれ違いが離婚につながってしまうそうです。

妻は夫を見ているのに、夫は妻を見ていない。
夫は自分の好きなことだけを見ているんですね。悲しいです。

長い時間一緒にいると、存在が当たり前になって、愛情表現をおろそかにしてしまいがちですが、「言わなくても伝わるでしょ」はダメですね。

言わなくても自分の気持ちを汲み取ってくれるなんて親でも無理なんですから、大切な人には気持ちを伝えるべきです!


【まとめ】大和男子は言尽してよ 長くと思はば

やっぱり、好きな人には「愛してる」って伝えた方がいいです。

「言わなくても態度で伝わるだろう」というのは甘えですし逃げです。
昔の大和男子から叱られますよー。

最後にもう一つ、1300年以上前からの大和撫子から大和男子へのメッセージをお伝えします。

ひて 逢へる時だに うるはしき 言尽ことつくしてよ 長くと思はば
(恋いこがれてようやく逢えた時だけでも、優しい言葉をありったけ聞かせてくださいね。二人の仲を長く続けようとお思いなら)

『万葉集』大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ


「大好きなあなたと、ようやく会えたんだから、この時だけでもたくさん「好き」って言ってね。私との関係を長く続けたいなら」

こんなかわいいことを好きな女の子から言われたら嬉しくてたまらないんじゃないでしょうか? どうですか、大和男子の皆様!

  • 大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ:歌人の大伴旅人の妹。大伴家持の叔母。女性としては最多の数の歌が『万葉集』におさめられている。

現代の男性諸君は、もっともっと彼女や奥様を愛してあげてくださいね。
恥ずかしいと思っていたらダメですよ!

奥様や彼女を愛しいと思う大和男子なら言尽くしてくださいね。


あらあらかしこ(*ˊᗜˋ*)ノシ


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