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気付いたらバリスタを目指そうとしていた話

いまわたしはバリスタを目指している。けれども、そもそもバリスタを目指すつもりでコーヒー屋でのアルバイトをスタートさせたわけでは、なかった。(そんなことある?)

もともと飲食の仕事や接客が好きで、だったら自分が心から好きなものに関わりながら働きたい。そう思ってコーヒー屋の求人を探していたら、ピンとくるお店を見つけた。ほぼ迷うことなく応募ボタンをタップし、無事働き始めたのが今年7月のことである。

働き始めてからも、「あ、自分はやっぱりコーヒーが好きなんだなぁ」という気持ちを、毎日毎日実感している。よかった。むしろコーヒーに関して知らないことばかりで、興味関心がどんどん増している。職場の人間関係がおおむね平和なのも、「コーヒーが好き」という共通点で繋がっていることが大きいのかもしれない。

さてこんなかんじで、ゆるっとコーヒー屋さんの敷居をまたいだのだが。入社して2か月過ぎたあたりから、ちょっとしたウワサが耳に入った。

どうやら、社内テストがあるらしい。

お店で提供するメニューのいくつかは、その実技テストを通過しないと、作ることができないのだ。ウワサを聞いてそわそわする間もなく、気付けばトレーニングがスタートしていた。お店が落ち着いている合間を縫って、修行に励む日々である。

2回ほど、ウワサの社内実技テストを受けに行ったのだが、これがめちゃくちゃガチなのだ。潔く滑って帰ってきた。また次のチャンスに向けて、コツコツ練習をしなければなるまい。

トレーニングが始まったあたりから、わたしはようやく薄々気が付いたのだ。

これって「バリスタ」になるってこと?(遅)

そもそもバリスタとはどんな仕事なのだろうか。「知らずにコーヒー屋に入ったの!?」と呆れられそうだが、周りのスタッフも案外そんなかんじ。ゆるいカフェだと思いきや、ガチなコーヒー屋なもんだから、そのギャップで辞めていく人も多いという。(いや、面接で言うといておくれよ…とは思う笑)

そうそうバリスタについて。わたしが勉強のために読んでいる本の中では、このように解説されている。

 「バリスタ(barista)」は、もともとイタリア語で「バール(bar)で働く人」という意味を持つ言葉。(中略)
 またイタリアでは、客は「店につく」のではなく、「バリスタにつく」ともいわれています。それは、味はもちろん、会話を含めた接客に対しても“お気に入り”であるということ。つまり、バリスタにとって、サービスも非常に大切なスキルだということなのです。

「エスプレッソパーフェクトバイブル」(丸山珈琲監修)180ページ

イタリアとは文化が異なるとはいえ、コーヒーを淹れる技術はもちろん、接客業としてのサービススキルや、素材に関する知識も幅広く必要なのだ。

ちょっと昔のはなしをすると、わたしは短大を卒業してから8年ほど、タルト屋で働いていたことがある。

「前職はタルト屋です」と言うと、だいたい「あ、パティシエさんですね!お菓子作り得意なんですね!」と反応される。その度に少しだけ、チクリとうずくものがずっとあった。

「ぁあ、接客メインでやってまして、作るほうは全然で…」

接客は好きだったし、チームの動きを見てフロアを回すのも好きだった。続けたことに誇りを持っていたハズなのに、技術として何があるかと問われると、パッと答えが出ない。パティシエ「じゃない」自分に、プチ劣等感を持ってしまっていたのだ。

そこにふわりと舞い込んできた、バリスタという仕事。コーヒーが好きというだけの、無知のところから挑戦が始まったわけだから、技術を身に付けるのは大変だ。だけど、「技術がないコンプレックス」から抜け出せなかったわたしには、今のこの負荷がちょうどいいと思える。覚えること・知りたいことが山ほどあるんだけど、それが接客に結びついていくのが楽しい。

コーヒーが好き、接客が好きという自分に、バリスタという仕事はピタリとはまったようだ。

とはいえいつも考えるのは、大事なのは肩書きじゃない、ということ。自分には何ができ、技術をどう使ってどんなよろこびを生むのか。まっっっだまだひよっこなんだけど、「どんなバリスタになりたい?」と、肩書きのその先をイメージしていきたい。言語化がむずかしいけどね、やるなら表面だけで終わらせたくないんだよ。

気付いたらバリスタを目指そうとしていた話。未来の自分も楽しめるかな~と思って、奮闘記として残しておきます。

もっとおいしいコーヒーをお届けできるように。

引き続きバリスタ修行、がんばります!

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