【日記】2024年12月11日~12月20日(雨の動物園、なぜ簿記を学ぶのか、遊びが多忙)
12月11日(水)
パニーニとホットドッグと、いちじくとくるみのベーグル。きのうパン屋さんで買っていたパン3個を朝食にした。われら夫婦は、トースターでリベイクする前に、ぜんぶのパンに包丁を入れ半分ずつにする。これはミスドのドーナツにも適用される。これは「半分こ」という初々しい風景ではなく、「全種ちょっとずつでもいいから網羅したいっ」という、互いの食い意地を全力で発揮したルールである。今朝もとてもおいしかった。
バイトのお昼は、先日作ったおでんと、おにぎり。おでんを作ったのだと職場のみんなに言うと、「いいですね~!丁寧な暮らし!」と言われる。こう言われるのはありがたいことなのだが、実情まったく丁寧な要素は、ない。具材をじゃんじゃか鍋に詰め込み、味付けも最小限。大根の面取りも、十字の切れ込みも、めんどくさくてやってない。3日分くらいの量を仕込んだので、今日のお弁当だってタッパーにすきな具材をすくい上げてきただけだ。ちなみに、夜ごはんもおでんを食べた。ズボラ最高。明日くらいには、そろそろ料理をしないとな~と思っている。
12月12日(木)
バイト先の休憩室に龍角散のど飴が置いてあった。先輩のSさんに「風邪ですか!?」と聞くと「いやいや、風邪の10歩前くらい!」と、さわやかな返答がきた。(かっこよ……)と内心思うのと、その対応めちゃくちゃわかる!となる。風邪の芽は早めに撲滅するに限るのだ。だれだって風邪をひくし、そうなったときはお互いさまでフォローし合うつもりでいるのだが、自分がフォローされたとき、相手に申し訳ない気持ちでいっぱいになる……それを考えただけで、「風邪なんてひいてたまるか!」と奮起するのである。風邪をひくとしんどいのはもちろん、迷惑かけるのが面倒くさいというのが正直あるんだよな。だから「風邪の10歩前くらい」を察知して撃退しようとしている先輩が、すごく真っ当にみえたのでした。
12月13日(金)
今日は夫と動物園にゾウを見に行くと決めていた。そのために3頭のゾウの名前までリサーチして覚えて、気合いはじゅうぶんだ。行く途中で雨が降ってきて「……どうする!?」といちおう意思確認し合うが、傘を買いそのまま向かうことに。雨だろうがなんだろうが、ゾウはかわいかった。わたしは小さくてもふもふした生き物をYouTubeで愛でて暮らしているのだが(推しのねこがいる)、ゾウといえばその対極にいる生き物だ。かわいさのポイントは、そのやさしい目だろうか。無邪気に水浴びをする姿だろうか、それともにんじんを器用に鼻ですくいあげ、口に運ぶ姿か。どこを切り取ってもかわいさに溢れていたのだが、雨のため飼育員さんに誘導され早めに屋内へ帰っていった。それもかわいい。この天候で見れたのは、ラッキーだったのかもなーと思う。あとは屋根の下で雨宿りしている、憂い満点のオランウータンが忘れられない、あの表情は、たまらない。
12月14日(土)
バイト中、レシピ開発のため調べものをしていたら、料理家のリュウジの記事が出てきた。そしたらなんと、同僚のひとりはリュウジの名前も顔も知らないと言う。いつもわたしのほうが流行りに疎すぎるので、「だれそれー?」と聞かれてやたらと新鮮だった。情報に溢れた現代とはいえ、いかにひとが情報を取捨選択しているかということを考えさせられた。まじめか。
家に帰ってnoteを書こうとパソコンを開くと、ムラヨシマサユキさんの訃報が。だいすきな料理家さんで、お菓子のレシピ本も何冊か持っている……。レシピへのこだわりや思い出が文章でつづられていて、作り方だけじゃなく作る楽しさも、1冊の本に詰め込まれている。それがすごくすきだった。夫とも「いつか死ぬんだよなァ……」とつぶやきながら、お互い何ができるか考える夜になった。
12月15日(日)
簿記の勉強を進めている。現在地がどのくらいかというと、YouTubeで問題を解きながらひと通りやって、決算整理仕訳がちんぷんかんぷん過ぎて復習し、テキストを解き始めているところ。バイトの休憩中がいっちばん集中できるので、いつもテキストとノートを持参することになり、リュックが重い。今日も30分ほどやる。
夫と夜ごはんを食べながら話していると、夫はすっかり簿記のやる気をなくしてしまったらしい。夫こそ実務で使うはずであり、わたしに関しては簿記を使う予定がいまのところない。毎日少しずつではあるものの、続いているのが気持ち悪いくらいだ。「なんでこんな勉強してるんやろなー?」と会話しながら整理してみると、要するに「いちど始めた勉強を達成しないことには、ほかの何事も成し得ない気がする」のである。転職や収入に直結させるというよりは、「まだまだ何でも吸収できる自分」というのを、確かめたかったのかもしれない。簿記はすごーく地味な作業の連続だけれど、「身体が覚えてやがる……!」みたいな感覚で解ける問題もあったりして。それが徐々に増えてきたので、すこしは楽しい。来年1月に試験を受けてみるつもり。
12月16日(月)
今日はバイト中、先輩がコーヒーの袋を開封し「いい香り~!」と和んでいて、その周りにみんなが集うという平和なシーンがあった。このコーヒーの持つ癒しの香りに、我々が慣れることはない。勤続何年だろうが、みんな等しく「めちゃくちゃいい香り!」と感じられるところが、コーヒーの魅力のひとつだと思う!飽きない!
袋を開封した瞬間や、グラインダーで挽いている途中がたまらない。仕事中とはいえ、究極の癒しタイムが1日に何度も訪れるので、身体は疲れてもこころは荒むことなく働けているのかもしれない。
ちなみに今日は、先輩が開封した豆から、ショートケーキのような甘い香りがしてみんな興奮した。ドリップで飲むとベリーのような華やかな酸味が特徴の豆ではあるのだが、店内のクリスマスソングに引っ張られているのだろうか、それは今思い出してもいちごのショートケーキの香りだった。コーヒーと接していると「そんな表情も見せてくれるん?」と意外性ある香りや味わいに出会うことがたくさんあって、ほんとうにおもしろい。
夕方はやくに帰宅したので、夜はチキンのスパイスカレーを仕込む。あとは残っていた小松菜ひと房とほうれん草ひと束を、合わせて胡麻和えにした。作り置きのポテトサラダも合流させ、ぜんぶワンプレートに盛り込んで食べた。数日前から書こうと思って忘れていたのだが、今回のポテトサラダには、「きゅうりサラダ」と名付けても過言ではないくらいのきゅうりが入っている。じゃがいも3個に対して、きゅうり2本。ぎゅぎゅっと塩もみしているので、ほんのり塩気がある状態。この比率もけっこうすきだ。
12月17日(火)
今日は、ずっと前に働いていたお店の上司(店長)の誕生日だなぁと思い出す。バイト中も、12/17という日付と遭遇するたびに、あぁ今日は店長の誕生日だ、と思う。こうゆうことばかり覚えていて、記憶の容量が占められていくのだがどうしたもんか。実用性がなさすぎて。
バイトが終わって、夫の仕事終わりまで時間がありそうだったので、駅から寄り道。すきなコーヒー屋さんでホットラテとチーズケーキを買い、ちびちび飲みながら歩いて帰る。チーズケーキは食後に食べる用。コーヒー屋で働いているが、ひとに淹れてもらったコーヒーは格別においしいのだ……カップを持つ手がじんわり温まるのも、この時期のしあわせやなァと思う。
12月18日(水)
夫と1年間のごほうびに温泉に来ている。
12月19日(木)
いそがしく遊んだ1日なので、忘れないようにまとめようと思う。まずは11時に温泉宿をチェックアウト。かなり遅めのチェックアウトでうれしかったが、朝からお風呂も入って山盛りの朝食を食べて、かなり仕上がった状態。なんなら「もう1回眠りたい……」と思っていることに気付き、人間の欲望の限りなさを感じた。宿の方に話を聞いていると、海外のお客さんは5連泊などめずらしくないそうだ。うっ、うらやましいっ。あれも食べてここも行ってと、せせこましく予定を入れてしまうんだけど、そもそも大きな連休を取れないからそうなってしまうのだ。来年は「連泊」を目標のひとつにしたいと思う。
その後は宿の近所の科学館に行く。われら夫婦は、科学館、博物館、美術館などの「館もの」がとにかくすきなので、あ、水族館もすき、旅先にある場合は足を運ぶようにしている。今日も2時間くらい滞在してしまい、次の予定があったので回れないエリアがあるほどだった。
その次の予定というのが、陶芸体験だ。急に土に触りたくなった夫が予約を入れていて、ほとんど事後報告だったのだが、わたしも土はすきである。数カ月だけ、陶芸を習っていたこともあった。とはいえ、ろくろを回すのは初体験。わたしは「ぐい呑みを2個作って」と夫から指示があり、先生の懇切丁寧なサポートのもと、30分ほどで形成を完了することができた。粘土はきめ細かくてひんやりしていて、「気持ちいい!」と思わず言ってしまうほど、癒された。夫とろくろをバトンタッチし、彼は徳利という少し難易度高めの形成にチャレンジ。手先がわたしよりはるかに器用なので、(そつなくこなすんやろな……)と思っていたのだが、案外苦戦していておかしかった。わたしたち同じ初心者でも、王道の型に収まるわたしと、なんとかアイデンティティを反映させようとする夫……陶芸ってめっちゃ性格でるやん!と笑った。
そこから帰路につき、夜は予約していた地元の韓国料理屋さんへ。しかし道が混みすぎていて入店が20分ほど遅れてしまい、あとの予約も詰まっているようで、制限時間45分となる。ナムル盛りとタコ野菜炒めとクッパをシェアし、きれいに食べてだだだと店を出た。
ふぅ。さいごの遊びは、サカナクションの映画だ。今年開催されていた全国アリーナツアー。その最終日のライブ映像を、映画館で観れるというもの。しかも2億年ぶりくらいの、レイトショー。楽しかったとかいい音楽だったとか、ぜーんぶひっくるめて、「とにかくビールが進んだ!」と書いておきましょう……最高だった。
われわれが20代ならば、帰りに1杯ラーメンを食べてみたり、カラオケに流れたりしそうなところだったが、まっすぐ家に帰った。音楽が頭にのこっていて、ふわふわしていて楽しい。
確実に予定を詰めすぎなんだけど、まだまだ遊び足りないという葛藤。体力おばけになりたい。
12月20日(金)
バイトに行くと機械のトラブル。必死に対応していて、なぞに「リアリティ……!」と思う。仕事をしている自分と遊んでいる自分。仕事をしているときのほうがリアルに感じられるのはなんなのだろう。遊ぶように仕事をする(理想)までは、近いところまできてるんだけど、まだちょっと距離はあるのだろうな。
バイト終わり、家の冷蔵庫が見事に空っぽなので、スーパーで野菜や豆腐やヨーグルトを買う。作り置きの総菜を2品作った。えのきと小松菜とお揚げのおひたし、さつまいもサラダ。今日は早く寝る!
表紙の写真:和のおかずも、気にせずカレーとワンプレートに盛る。カレーは無敵。