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「やりがい」の種をまく思考

「働く」ことは、誰しも少なくとも人生に一度は考えたことがあると思います。

何をして働くのか。
誰のために、何のために働くのか。

「働く」を考えることは、自分の生き方を考えることに通じています。
1日24時間のうち、8時間寝ていたとして、あとの8時間は働いて、残りの8時間は余暇時間。1日の3分の1は働いていることになり、人生という長いスパンで考えてもかなりのウェイトを占めるのが「働く」時間です。

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大抵の会社員の仕事というのは、「事業として何を遂行するのか、大枠を考える人」と、「実際に現場で事業を運営したり、営業や作業をする人」に分けられるのかな、と思います。
もちろん、どちらもやる人も居るでしょうし、お金を管理する人や方向を決定する人などもいるでしょう。

決められた予算のなかで、現場の人が自由に事業について考えたことを、どんどんプレゼンして実現させていくのは、首都圏のスタートアップ企業などによく見られます。

一方地方では、人手が足りないからみんながどちらもやるのかと思いきや、人手が足りないからこそ、全部分かっていて指示する人と、ただ作業する人に二分化します。そこには金銭的にも、得られる充実感的にも、大きな溝が空いてしまうのです。

指示する立場の人は、事業の全体像が見え、何をすればいいのかが明確です。
自分で全部できるし、自分が全部やってもいいのだけど、全体で必要な仕事のうち、考えなくてもできる仕事だけを作業する人に与えます。

作業する人は、事業の全体像が見えないまま、「これはなんのための仕事なんだろう?」と思いながら作業を進めます。
そうしてこなした仕事は、自分でなくてもできるただの「作業」になってしまい、そこに個性やその人らしさが発揮されることもなく、自分じゃなくてもできる仕事なら辞めよう、と思われて、どんどん人が離れてしまう職場になってしまうのです。

地方から働く世代や若者が流出するのはまさにこれが原因で、自分で考えたことをかたちにするような仕事が圧倒的に少なく、やりがいを求めることができないためです。
募集しているのは作業的な仕事が大多数。その作業も、「なんのために」の説明が欠落した状態で上司から「とりあえずこれやっておいて」という感じなので、「これってなんのためになる仕事なんだろう?」と分からないまま、労働力と時間を搾取されてしまうのです。

仕事を選択する上で「やりがい」は誰もが気にするところです。
誰かの役に立っていると思えるかどうか、世の中の役に立っているかどうか。
それが実感できるかどうかは職種や職場によって異なりますが、それを理解した上で仕事をするか、理解せずに仕事するか・・・
この違いは、仕事に対する充実感に大きな影響を及ぼします。

※この「やりがい」というのはまた都合のよいことばで、これによって無償労働の蔓延化や善意の搾取が起こったりするのです・・・その話はまた今度・・・。

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さて、仕事の内容は人それぞれですが、根底にある「やりがい」を支えているのは「誰の役に立っているか」「なんのためにやっているか」という問いです。

「生きていくお金のため」と言う人もいるでしょう。

家族のため、豊かな生活を送るため、老後のため、という人もいるでしょう。

また、仕事内容が社会的意義に落とし込める内容なら、老人のため、患者のため、お客様の役に立てている、と思えるでしょう。サービス業に多そうですね。

会社の役に立てて嬉しい、上司の役に立てるのが幸せ!という人もいるかもしれません。

結局のところ、誰のためでもいいし、もちろん大前提は自分のために働くのですが、わたしはこの「誰の役に立っているか」「なんのためにやっているか」の自分なりの答えをたくさん持っていた方がいいな、と思うのです。

この答えを多く持っておくことで、わたしたちは仕事のモチベーションを維持することができます。
なぜなら、「この仕事はだれかの役に立っている」と実感できることほど、やりがいを感じることはないからです。

仕事をしていれば、自分が一生懸命考えたことがなかなか伝わらなかったり、うまく結果に結び付かないことがたくさんありますよね。
だけど、試行錯誤を繰り返して何度も挑戦することで、やっとかたちになることもあるし、自分がした仕事が必要としている人に届いたときに感謝されることで「役に立った」と実感でき、いい仕事をした、と充実感を感じることができます。

仕事の充実感を感じることができるところまで、モチベーションを維持する努力。それがあって初めて、この循環は生まれるのだと思います。

みなさんも会社に入社するときに考えたであろう、志望動機。
「どうしてこの会社で働きたいのか」「なんのために?」「誰の役に立てる?」「そのために自分に何ができる?」

現在、仕事が面白くない人は、「そもそもこの会社でなにがしたかったんだろう?」と思い出してみてください。

昔も今も同じ気持ちで仕事しているなら、そのままでいいと思います。

でも、「あれ、もうここでやりたかったことは全部やってしまったな」「ここで自分の能力をほんとうに活かせているのかな」と思ったら、それは今の仕事とこれからの人生について見つめ直すチャンスかもしれません。

また、仕事にやりがいがないなぁという人は、
「自分の仕事は最終的に誰の役に立つんだっけ?」
「喜んでくれる人はいるのかな?」
「世の中のどんな役に立つのかな」
という辺りを自分なりに考えて、今やっている仕事の意義を問い続ける必要があります。この思考によって、やりがいを感じられる種をまいておくことになります。

「働く」ことだけではなく、人生に置き換えたときにも同じことが言えます。

「自分は本当は何がしたいのか」
「誰の役に立ち、生きたいのか」
「一番楽しいと思えることはなにか」

このような自問自答を毎日毎日繰り返すことで、自分の生き方や、自分の時間の使い方を考えていけたら、幸せじゃないかな、と思います。

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わたしはこの自問自答を始めてから、前よりわがままになったと言われます笑
自分がやりたいことを追求しすぎなのかな…。自分の人生は自分が一番大切にしなければならないと思って、やっぱりわがままです笑

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★さいごまで読んでいただきありがとうございます。
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