確かに、この目に焼き付けていたはずなのに。

この前ふと息子の姿を見て、大きくなったなぁと思った。気づけば身長は80センチを超えて、ムチムチだった腕や足も少しずつスラッとしてきた。赤ちゃんから幼児へと確実に成長しているのを感じる。

最近は子育て支援室などに遊びに行くと、息子より月齢の低い子に会う機会も増えた。その度に、（息子にもこんな時があったんだなぁ。どんな感じだったかな。）と思い出すことも多くなった。

そしてふと思う。あれ、あんまり思い出せない。スマホの写真や作り溜めているアルバムには、ちゃんと息子の小さい頃の姿が残っているのに。あの時絶対忘れないようにと、確かにこの目に焼き付けていたはずなのに。

何度思い出そうとしても、リアルなあの頃の息子を思い出すことがもうできない。仕方のないことなんだと頭では分かっている。人間って、そんなに全部を覚えてはいられないから。でもやっぱり寂しいな、と思う。あんなに覚えていたいと願ってたはずなのに。

それでも今の息子はものすごく可愛くて。そしてこの2年間、以前の息子の姿を覚えていられないぐらい、たくさんの時を共に過ごしてこられたんだと思うと、それはとても嬉しいことだとも思う。それだけ君と過ごした日々が、私の記憶の中にはたくさんあるってことだもんね。

きっとこれからも、今の息子の姿も忘れてしまう日がきっと来る。だけど、その時その時の息子の姿をまたこの目に焼き付けて、その一瞬を全力で楽しんで過ごしていこう。

そうやって、君が成長していく姿を見続けられるなら、こんなに嬉しいことはない。