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映像翻訳とは?

noteを始めて一週間。

前回の初投稿の後、ひととおりSNSで宣伝したはいいものの、なんとなく恥ずかしくてちょっとだけ怖くて、すぐにスマホとPCを閉じベッドにぶん投げたまま数時間放置しました。

まるで好きな人に初めて連絡した直後の女子中学生のよう、、

ところが数時間後スマホを開くと、”スキ”の通知がたくさん来ているではありませんか( ;∀;)

自分の記事を読んでもらえて、反応を頂けることがこんなに嬉しいとは、、次の記事を書くためのエンジンになりますね。

そして”いいね”でも”like”でもなく、”スキ”というところがまた、ド直球な感じがして好きです。皆さんの記事にも”スキ”しに行きたいと思います。

ここから本題

さて今回は、映像翻訳についてざっくりご紹介します。

前回の自己紹介でも書いた通り、私は今プロの映像翻訳家を目指しております。

映像翻訳を勉強しようと思ったきっかけなどは
また別の記事で書くとして、、

私が惹かれた「映像翻訳」という世界について、
これを読んで少しでも面白いと思ってもらえたら嬉しいです。


翻訳の種類

まず初めに、翻訳業界における映像翻訳の位置づけとはどんなものでしょうか。
一口に翻訳といっても、海外製品の説明書、書籍、映画の字幕、など、種類は様々。
これらはすべて、「実務翻訳(産業翻訳)」、「出版翻訳(文芸翻訳)」、「映像翻訳」の3つの種類に分類されます。

それぞれの大まかな仕事内容は以下の通り。

「実務翻訳」…ビジネス文書やマニュアルなどの文書の翻訳
「出版翻訳」…海外で出版された書籍の翻訳
「映像翻訳」…海外映像素材の翻訳

翻訳家や翻訳者と呼ばれる人たちは、このうちいずれかの分野に特化したプロフェッショナルというわけです。(2種類できる人も、全部できる人も中にはいます。)
特に、出版と映像に関しては特殊なスキルがより必要になるかと思います。

そしてこの3つの割合ですが
皆さんが翻訳と聞いてぱっと思いつくのは、いわゆる出版翻訳や映像翻訳だと思います。

しかし実は、翻訳市場で最も多くの割合を占めているのは実務翻訳なのです。その割合なんと9割。
映像翻訳は1割未満なんですね。

それでも、動画配信サービスなどの利用が増える昨今
映像翻訳の需要もかなり増えつつあります。(コロナ禍でネトフリ・アマプラ廃人になっている皆さん、勉強するなら今がチャンスです。)


映像翻訳のお仕事

ではこのネトフリ廃人、、ではなく、映像翻訳者って何をする人なのでしょう?

映像翻訳とは読んで字のごとく、映像コンテンツの翻訳。
多様な海外映像素材を多言語化して、視聴者に伝えるのが映像翻訳者の仕事です。
この「多様な映像素材」の中には、映画やドラマ、ニュース、情報番組、
企業のプロモーションビデオなどが含まれ、扱うジャンルも多岐にわたります。

そしてこれらの素材を翻訳する際、素材に合わせて
字幕、吹替、ボイスオーバーという3つの手法を用いて翻訳します。(3つの手法については別の記事で書こうと思います)

映像翻訳者は、この3つの手法をすべてマスターして使いこなすことが求められるのです。

実際に素材を翻訳する際にどんな作業をするかというのは手法や映像のジャンルによって様々ですが、共通して行う作業のひとつに”調べ物”があります。

映像翻訳はその性質上ほぼメディアの仕事になります。テレビで放送しても大丈夫な表現か、翻訳した内容は事実と相違がないか、怪しいものは片っ端から調べ、確認します。

このリサーチが予想以上に大変で、勉強し始めのころは翻訳してる時間より調べものの時間のほうが長かったです。。(1年半たった今でもドキュメンタリーとかはかなりしんどい)


映像翻訳者に向いてる人は?

細かいことを言えばもっともーーーっと大変な作業はいくらでもありますが、それを乗り越えて映像翻訳者になる人ってどんな人だろうと考えました。

私もまだまだ勉強中ではありますが、1年半ちょっと勉強してきたなりに思ったのは、まず

「映像コンテンツ好きじゃないとやってらんねえ」

ということ。

考えてみなくても当たり前ですが、これがやっぱり一番重要。

特段英語が得意じゃなくても、言葉と向き合うことが苦じゃなければできる仕事だと思います。

が、映像を観ることが苦手な人にとってはただの苦行です。

映画でも、ドラマでも、スポーツ番組でも、時間を忘れて観ていられるぐらい好きな人は苦しみながらも楽しめると思います。


ふたつめは、「なんにでも興味を持てること」

前述したように、扱う映像素材の種類は様々。

サッカー選手のインタビュー映像、聖ヨハネ騎士団の歴史を記録したドキュメンタリー、テンポのいい会話が魅力のシットコム、他の作品のオマージュが盛り込まれた長編アメコミ映画、、、

本当に、多種多様なジャンルを相手にします。

プロになっていただける仕事も、最初から選り好みできるわけではありません。(かといって全く無知のジャンルに手を出すのも危ないですが。)

いろんなジャンルに挑戦して、自分の中に知識をため込んでいくのも勉強のうち。

私はまだまだ学校の課題をせっせとこなしている段階ですが、どんな素材でも苦手意識を持たずに取り組むようにしています。


そしてもう一つ、「言葉にこだわりを持てる人」

外国語を日本語に翻訳するとき、悩むのは「日本語でどう表現するか」ということ。

たとえばすごーく簡単な例を出すと、「Hi」という英語を日本語で表現するなら、どの表現が一番いいと思いますか?


これ実は、答えはありません。翻訳において明確な答えはないんです。

「Hi」と言った人が誰なのか、誰に向かって言ったのか、そもそも「Hi」とはどういう意味の言葉なのか。

ひとつの言葉の意味を正確にとり、たくさんある訳語の中からふさわしい表現をひとつ見つけ出す。そのひとつの表現を見極めるために、人一倍言葉に敏感でないといけません。

言葉と向き合うことに慣れている人やそれを楽しいと思える人はなかなか向いているのではないでしょうか。


もう終わりますよ~

書いてると楽しくてつい長くなってしまいました、、

こんな感じで、毎度毎度苦しみもがきながら原稿を完成させています。

が、そりゃそうです。言葉や文化の壁をぶち破ってまで無理やり翻訳するくせに、作品の意図はそのままに伝えようなんて図々しい仕事です、、

それでもやっぱり、海外の素晴らしい作品を誰かに届けたくてやっています。

映画やドラマが好きで、言葉を書くのが好きだからやっています。

これを自分の職業にできたら、幸せだなあ。


ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。

ほぼ自己満記事ですが、なにか興味のある内容が少しでもあったなら幸いです。


ではまた次の記事で。



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