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世界にかえりたかった息子

「グラノーラ」のことを「コップポーン」という息子3歳だが、ここ最近「〇〇〇くん(自分のフルネーム)世界にかえりたかった!!!」が口癖なのは、一体どういうことなのだろう。帰るってことは、ここじゃないどこかを指していそうだし、過去形なのは、そうしたかったけど出来なかったという、過去へのまなざしのようでもあって、幼児の戯言として聞き流せない引っかかりがある。

どんな世界にかえりたいの?ときくと、「お星さまがいっぱいあって、その上のせかい。」という。「いっぱいいっぱいあるの」とも言うので、何がいっぱいあるの?ときくと、「ぴゆん ぴゆん がいっぱいある」という。なんだかおもしろい世界だ。でも、かえりたいってのはちょっとさみしい。

ママもパパもねーねも息子くんも、いつか死んでこの世界にはいられなくなる。でも、今ここにみんなで一緒にいることが、大切なんだよ。

と、3歳児相手に真面目に返してしまうけど、ほんとにそうなんだ。子どもが生まれてから加速度的に時間の流れが速くなったように感じるし、親達の年齢もいつの間にか(あたりまえだけど)上がってきて、こんな風に家族4人でわちゃわちゃ過ごす時間はきっと束の間の、ぴゆんぴゆんしたきらめきなんだろう。

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そんな息子の最近の様子は、異様と言っていいほどに社交的で積極的。公園でたまたま、犬を撫でさせてくれた品のいいマダムの首根っこに腕をまわして「まだ帰らないでよ。もっともっと、あそぼうよ」と耳元で囁く(でかい声で)とか、登園、降園時は自転車の後部座席からすれ違う人、追い抜かす人、目が合った人々に、誰彼かまわず「こんにちは!!」「ばいばい!!」「〇〇〇くん(フルネーム)です!!」とかクソでかボイス&曇りなきまなこで声を掛けるので、まるで返事をしなければ、しなかった側に何か欠陥でもあるかのような圧なのである。(そして実際、本当に気づいていない人を除いて、必ず反応してくれる。ほぼほぼもらい事故だ。。)

そんな威圧的社交力は置いておいて、今までなにかとご機嫌で、お調子者で何事もスムーズだったが、最近はちょっとしたことで強いこだわりをもったり、意地を張ったらなかなか引けなくなるなど、心の成長も見られる。

机の角に頭をぶつけたり、転んだり、お姉ちゃんに蹴られたり(自分が悪さするからなのだが)しても、全然泣かない強さがある。

雨の日のお迎えの車から、降りないと決め込んだら何を言っても降りなくて、仕方がないからチャイルドロックで締めきって懲らしめてやろうと思って5分後覗きに戻ったら、ハザードライトと室内灯とフロントライト、全部点けてニコニコしててこっちが大汗かいたり。

寝ている時は本当に可愛いけど左耳がいつもちょっと臭い。鼻が出るとすぐに気管支にいって喘息みたいになる。

息子3歳、ママは君がいるこの世界が何よりおもしろくて大切なんだ。だからもう、かえるとか言わんといて。


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