宮本 まりこ

喜びも痛みも、抱きしめながら。感情の紡ぎ方と、物語の関係について考えるのが好き。ビルの屋上から世界中に叫ぶように文章を書いています。/ 読書 / 映画 / 一人旅 /ときどきアコギ / コルクラボ 5期生

幸運の功罪

レントゲンの画像を指差しながら、先生は涼しい無表情で私を振り返る。 「うーん、ここね、ほんのちょっとなんだけど、折れて...ますね。1mmくらいなんですけどね。」 …

無機質に温度を。

ビルの連なりに、私は人間を感じない。私の目には、それらはひどく無機質で、生命を失った灰色に見えた。コンクリートも、アスファルトも、電柱も、ガードレールも、曇り一…

物語をわたしのからだに

" 何があれば、生きていけますか。" そう、問われた気がした。 この文章は、kanako yamazakiが執筆した小説「唇と杏と宇宙人と。」に寄せる思いを綴ったものです。 …

月の、おはなし

「ねぇ、お月さまは、どうしておいかけてくるの?」 夜の闇で、後部座席にすわったまま視線をあげると、まるくて、おおきな、光が横を並んで走っている。 赤い光を放つお…

彼女のフィルターを通した世界を

「はじめまして。私が今回、この哲学対話を企てました、ゆききです。」 ひとの見ている景色は、面白いほどに異なる。 たとえ、同じ空間にいて、目を合わせて、あるいは同…

捨てた夢をめぐる夜

幼い頃から、大人に求められるような夢を持っていなかった。 「大人になったら何になりたいの?」「何をしたいの?」と、彼らは笑顔で私に尋ねたけれど、それに答えるため…