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短歌

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ありのままを、ぱっと伝えられたら。
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恋しさと 月の光で 茹でたから
とうもろこしが あまく弾ける

眠る前 頭を撫でる掌が
まるく膨らむお腹も撫でる

おめでとう 赤子と写る妹は
すっかり母の顔をしている

大ショック 零時を回った針
見ても戻らぬnoteの連日投稿

絆創膏剥がれて痛むくるぶしは
全然歩いてなかった証

切れてからもう3ヶ月過ぎていた
会社定期もさよならかしら

ぽこぽこぽこ…ここに命があるなんて
ほんとに不思議 ほんとに奇跡

夜だから。ただそれだけで
夫には 隠して開く LINEの画面

近づけば腕を広げてくれるから
言葉もいらず いちばん泣ける

パンパンの まるいおなかとふくらはぎ
産んだらもとに戻るね? だよね?

ゼクシィで 察してくれたあなたなら
体温測るわたしに気づいて

会えるのは また2ヶ月後。
電話越し「こけしっく」とか うまいこと言う

顔も背も 声も仕草も やさしさも
あなたに似た子に 育ってほしい

「産まれたら 朝、ママ起こすの 手伝って」
夫がお腹に 暗示をかける