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街の祭りに、「あなたのお話聞きます」というナゾなお店を出してみた実験レポート

ひょんなことから、街のマルシェに出店することになった。「ニュータウンに、人の繋がりをつくっていきたい」と熱く語る主催者を応援したいと思ったから、開催は週末に迫っていたけれど「出ます!」と即答した。

かわいい手作りアクセサリーや、ヘルシーお菓子、おしゃれポストカード屋さんが並ぶ中で、私にそんな素敵な技があるはずもなく、準備の時間もない。なんだなんだ、私にできることはなんだ??

とりあえず、何は無くとも人の話を聞くことはできそうだ、これで行こう、「あなたのお話聞きます!10分、無料」。タイトルをひねり出して、参加申し込みの送信ボタンを押した。

この、あやしすぎるブースに誰が来るんだろう。誰だかわからない人が、「話聞くよ」とブースに待ち構えているのだ。イヤだ、私だったら絶対行かない。。。

そんな不安をよそに、当日はやってきた。誰か来てくれたら、それだけで感謝だ、なんならこちらからお礼がしたいと、お菓子まで用意して待ち構えてみる。

いっぱいブースが出るのね
地元で人気の老舗店のマドレーヌを完備。お菓子あげるから、誰か来て!

そして、人は、、、、、、


来た。

半日でなんと8人!!!!!すごい。すごすぎる。

山が好きすぎて、これまでに登った山の話をひたすらしてくれたお兄さん、
意思が弱くて困っていると、仕事やダイエットの事例を話してくれ、勝手に目標設定をして帰ったお父さん、子どもが野球をいかに頑張っているか話してくれたお母さん、引っ越したばかりで誰も知り合いがいないけど、この土地でやりたいことがあると語ってくれた人、などなどなど。

みんな、制限時間10分間話し切って、ものすごくスッキリといい顔をして帰っていく。相づちを打ちながら、「は〜」、「ヒィー!」、「ふ〜ん」、「へ〜、なるほど」、「ほほー」と、「はひふへほ」しか言っていない私も、なんだか嬉しい気持ちになって一日が終了した。

来てくれた奇特なみなさん 
*写真とお話タイトル公開の許可済み

そして後日、ある集まりのアイスブレイクで最近のトピックを話すことになり、何気なくこの出来事を話したら、ある方がこんなことを言った。「宮崎さん、それはイギリスのフルームという街で行われている取組に似ているわ。行政、民間、当事者、三方よしの取り組みとして世界中から視察が相次いでいるのよ」

え?!

よくよく名刺を見ると、予防医療の教授らしいことが書いてある・・・
この「はひふへほ」しか言わず、人の話を10分聞くことが、何か、予防医療につながっているのか?だとしたら面白い。もう少し続けてみて、何が起きるか覗いてみたい気持ちがむくむくと湧いた。

いつもの街の祭りに、あなたのお話を聞いてくれる人がいたら、あなたは立ち寄りますか?有益なことは一つも言わないし、反応は、相づちと、「はひふへほ」だけ。10分経つと、盛り上がっていても終了です。

次回は、春。ぜひ、あなたもこの実験に参加して、感想を教えてください。

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