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そして、飛行機は壊れる その5

ルフトハンザは時間ぴったりにフランクフルトに到着。きのうのバタバタがうそのよう。

空港で、オーストリア人の観光バスのドライバーさんの心配そうな顔を発見。

「たいへんだったねぇ」

そして、フランクフルト空港から直接ハイデルベルクへ。お客様もバスでぐったり。それはそうでしょう。まる一日成田にいたのだから。ドイツまでが遠いこと。でも、サマータイムということもあり、まだ明るいので、車窓風景が楽しめてなにより。

ハイデルベルクの夕食のレストランでは、もうずっと一緒にいるような気がするツアーメンバーと初めてまとまって食事を。ようやく笑顔がみえてホッ。やはりお腹になにか入れると気持ちが落ち着くのですよ。これは添乗員の先輩が言っていたこと。ハングリーはアングリー。とりあえず、何か食べて落ち着け。

ナッシーに頼んで、夕食レストランをキャンセルしないでもらってよかった。

食事が終わった頃は、私の計算通り、とっぷり日が暮れていて、ドライバーさんに「アルテ・ブリュッケ」でバスをちょっとだけ停めてとお願い。

「アルテ・ブリュッケ」はハイデルベルク名物の古い橋。昼間は観光客がよくここで写真をパチパチ。私は、暗い中お客様を先導し、橋までくると皆さんに言いました。

「橋の真ん中まで行って、何も言わず振り返ってください」

橋の真ん中からは、ハイデルベルグ城のライトアップがよく見えることを私は知っていたので、これをお客様に見せようと計算していたわけ。

私の期待通り、お客様は喜んでくれ、一番のご年配のお客様は、ここまでの道中の大変さを思ったのか、涙ぐんでしまわれました。



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