飴細工とコラボが生まれるアトリエ「アメリエ」が誕生するまでのキセキ
「こんな商品やサービスがあったらいいのにな」「私が構想しているアイディアを世に出してみたいけど、需要はあるのだろうか」という思いがありつつも、行動する勇気がなかったり、自分1人の力では限界があると感じたりしたことはありませんか?
「食の持つ魅力を100年先まで届けたい」という志で、本業パティシエとして働く傍ら、2020年に飴細工のオーダーメイドギフトブランド「SUCRIÈRE(シュクリエール)」を立ち上げたアメリさん。
飴細工の原材料はお砂糖のみ。形は半永久的に変わらない。食べるも眺めるも、楽しみ方はそれぞれ。
そんな生花でも造花でもない、飴細工のギフトサービスを提供しています。
これまで3年間、SNSの運用から注文、ヒアリング、製作、お届けまで1人でこなしてきたアメリさんですが、ある企画をきっかけに「アメリエ」というクリエイティブチームが発足しました。
自分だけではできなかったことも、それぞれのスキルを持った人たちが集まることで感じられる無限の可能性や加速していくサービス。
その活動の様子を紹介していく連載企画「#アメリエ Story 〜飴細工に引き寄せられた人たち〜」がスタートします。
1本目となる本記事では、「SUCRIÈRE」の歩みを辿ります。飴細工との出会いやブランドの誕生エピソード、「アメリエ」発足の経緯をブランドの立役者・アメリさん本人が語りました。
まさかこれが食べられるものだとは思えないほどの技術に驚きと感動を覚えた飴細工
幼少期から食への興味関心が人一倍高かった私は中学生の頃、“スイーツのワールドカップ”ともいわれる洋菓子の世界大会「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー*」の存在を知りました。
この大会の競技は飴細工・チョコレート・氷の彫刻などの3部門に分かれ、各国代表の3人が1チームとなって、審査員の前で製作します。
このときに初めて「飴細工」に出会ったのですが、食べ物だとは思えない技術に驚きと感動を覚えました。
そして、これを機に「こんな世界大会に出てみたい」と志します。コンクールに出場できる経験を積める就職先を選び、入社して1年後、国内大会に初出場しました。
コンクール活動はタフで、仕事以外の時間はほぼすべてこの活動のために時間を費やしていました。今振り返ると、体力的にも環境的にも「若いときにしかできないからこそ、今やるぞ」という気持ちで全力を注いでいましたね。
確かに技術やレベルは向上しましたし、その上がり方も結果にこだわってコンクールを目指すのと目指さないのとでは、過ぎる時間の密度は違ってくると思います。
コンクールには3年間で4回出場しました。出場にあたってありがたくも周りの支えや協力、期待があったことが「なんとしてでも良い結果を出したい」というプレッシャーになり、今思うと当時の私はとにかく結果にこだわっていたように感じます。
だけど、タフな生活を過ごすなかで自分の納得のいく結果が得られず、技術の未熟さを痛感するとともに、大きな挫折を味わう経験となりました。
結果が伴わない事実を受け入れることは悔しかったです。それでも時間をかけて気持ちを整理し、一旦、コンクール活動は休止することに。
しだいに「世間的には見かけたり、手に取ったりする機会の少ない飴細工を一般の方に向けて届けたらどうなるんだろう?」と思うようになり、ハンドメイドサイトで販売を開始しました。
これが「SUCRIÈRE」の始まりです。
「素敵なシーメイトさんとお仕事がしたい」という夢が叶う企画に応募
食のもつ可能性をより広く伝えるスキルを身につけたいと入会したSHElikes*で出会ったドリームマップ*。私は、これに「シーメイト*さんたちのような感受性が豊かで、才能に溢れ、課題にも立ち向かえるポジティブさがある内なる情熱を持つ人たちとお仕事の依頼をしあって繋がっている」と記していたんです。
そんな思いを書き込んでいたところ、9期クリエイターズコミュニティ(以下、クリコミュ)が立ち上げた企画「『やりたい』を形にできる場所 コラボレーションラボ*」に惹かれます。そうして8月に開催されたクリコミュ主催のイベント「『やりたいこと』を形にしよう!あの企画のプロセス大公開☆」に参加しました。
そのイベントのなかで「やりたいこと」「つくりたいもの」「どんなスキルの仲間がいたら、叶いそう?」を書き出すワークタイムがありました。
「本業もあるし、コミュニティ活動に興味があるもこれまであまり参加できていない」「そんな自分が参加することで迷惑かけないかな」という不安な気持ちがあったんです。でも、「自主企画案を提出したら必ず参加しないといけない」「気になる企画があれば、それをサポートする側に回ってもよい」というスモールステップを用意してくれたおかげで提出してみようと思えました。
後日、私が提出した自主企画案を基に、クリコミュの運営者に壁打ちしていただきました。そんな背中押しやサポートのおかげもあり、9月開催の「今年中に実績をつくる!妄想発表☆交流会」に参加。そこで「飴細工の製作風景をお届けしたい」というタイトルで自主企画案を発表することになりました。
そしたらなんと私の発表を聞いて、スペシャルサポーター含め10名のシーメイトさんが自主企画案に賛同し、集まってくれたんです!「それだけで企画に応募した意味が十二分にあったな」「私がドリームマップに描いていた夢が思いがけずここで叶ってしまった!」と嬉しく思えました。
スキルを持ち合わせた者同士の集団がもつ無限の可能性
デザイン、動画、ライティングなどさまざまなスキルを持つシーメイトさんたちが集まり、飴細工とコラボが生まれるアトリエ「アメリエ」が誕生しました。この「アメリエ」もメンバーの1人が提案し、生まれた言葉なんです。
活動が動き出して強く感じるのは、集まったメンバー全員がGIVEの精神を持っているということ。自分の心の声に耳を傾け、好奇心に従って行動するマインドやパワーがあり、「人に与えよう」「人に感謝しよう」という気持ちで溢れていると感じます。
そして、大人になっても学び続けることや自己資本を磨くことの有意義さを実感したり、学んだことは無くなることのない価値であり積み重なっていくものだと気づかされたりしています。
人から与えられたGIVEの精神を、今度は別の場所で形を変えて自分が誰かに与える。そんな好循環が広がればいいなと思いますし、飴細工もそのきっかけの一つになれたら光栄です。
「飴細工」をあなたのサービスに置き換えて誰かの背中押しになれたら
世界大会への出場を夢見たからこそ、誕生した「SUCRIÈRE」。
まだまだ手に取る機会の少ない「飴細工」にニーズがあるのか分からないながらも、これまで1人で細々と製作、販売、お届けをしてきました。今は個々のスキルが集まったチームで、大きな理想の実現に向かってブランドを届ける実験中です。私が抱く「食の持つ魅力を100年先まで届けたい」という志のファーストステップとして、まだ始まったばかりのこの実験にどんどん化学反応を起こしていきたいです。
そしてお伝えしてきた私の体験が、自分が理想とする商品やサービスを世に届けたいけれど、足踏みしている誰かの背中押しになれたらとても嬉しいです。
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