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ウエディングドレスを借りるのが高いわけ

花嫁の母の特権とも言われるドレス選びの付き添い。これがなかなか楽しくも大変。新郎は仕事が忙しく度々私が駆り出されている。親戚からは構いすぎるなとイエローカードが発出されるも呼び出されるといそいそと出かけるというのが親というもの。

バブルの頃に結婚した自分の時もたしかにお高くて、打ち掛けに板金高島田とお色直しのウェディングドレスをいくらで借りたかもう覚えてはいないけれど、今回は冷静。同行しての感想など書いてみようと思う。

白ドレスはどれも同じように見えて形によってマーメイドライン、Aライン、シンデレララインなどがあり、素材ではサテン系とレースやチュール系に分けられるようで刺繍の豪華さや後ろの長さなどで価格が決まるようだ。

カクテルドレスとも言われるカラードレスはもちろん色々な色が取り揃えられているけれど人気はピンクに続いて赤という。ドレス単体で見るとブルー系やグレー系も綺麗だけれどモーニング姿の男性や黒留袖の母たちと並んでの記念撮影だと暖色系の方が映える。なんといっても主役らしい。

肝心のレンタル料金。一番ベーシックなもので20万からで、これはデザインが特に可愛い!と思うと60万もした。婚礼は金銭感覚が麻痺する。

ここでこの料金がなぜついているのか、という疑問が湧いてくる。これは主にコンサル料だと結論に達した。

一軒行くとたっぷり3時間。あれこれ見せてもらっていよいよ試着。その前に一着でも両手に抱えきれないドレスを搬入する作業もある。4から5着ほど着せてもらう前にヘアセットもササッとしてくれる。

大体が花嫁親子はわがままだ。次々目移りしては好き勝手を言ってやまない。にこやかに応対するのはどれほど骨が折れるかしれない。挙句にその日に契約するということはそれほど率が高くないと思われる。実際うちのムスメものべ8軒回ってまだ決めかねている。本当に迷惑な客だ。

母の私もくたびれてきてもうどれでも決めてくれるならそれがよい、という心境になってきた。ようやく仮契約したドレスも新郎が首を縦に振らなかったりする。男性と女性ではまた見立ても違うらしい。キラキラしすぎだとかで却下。

契約に至らなければ収入はゼロ、ということは契約になった場合はその分も含まれていると考えるのが自然。道理で高いわけだわ。

安くて20万、高いと60万以上…そんな非日常的な夢が覚めないといいのだけど、結婚はスタートであってその先が長い。結婚に何らかのけじめはあった方がいいと思うけれども身の丈に合ったものにしてほしい。試着が無料と言っても昔から言うではないですか、「ただほど高いものはない」って。

コロナ時代のすべてのカップルに幸多いことを祈りつつ。

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