見出し画像

桔梗のような母

作家の浅田次郎さんがお母さまのことを書かれている文を読む機会があった。学徒動員で学生時代に勉学ができなかったお母さまはホステスとして働きながら家族を支えられたそうだ。難関中学の試験を突破された次郎さんのために三冊の大きな辞書を買い与えられたのが作家になる礎となった。

最後まで都営住宅で独り暮らしをされたお母様の本棚には次郎さんのすべての著作物とルーペが並んでいた。そのお母様のことを次郎さんは「たおやかな百合のように美しい母だった。」と書いておられた。

さて、私の母は花にたとえると何だろう。9月29日生まれということもあり、今考えついたのは桔梗。

私のnoteを読むことを日々の楽しみにしている母は息子さんの著作物を全部揃える浅田次郎さんのお母様とすこし似ているかもしれない。子に対する母の思いは古今東西変共通しているようだ。

父が存命のころは経理を手伝い、その後は山野草を育てたりグランドゴルフを楽しんだりしている。最近は新聞に載っていたおいしいポテトサラダを即作ってみたりと身の回りのことを調えて元気に暮らしている。なんとありがたいことか。

今日の誕生日をどのように祝えばよいか少し前から考えていた。去年贈ったちょっと高級な基礎化粧品はまだ封も開けていないかもしれない。好きな日本茶は先日の敬老の日に贈ったばかりだ。練習したピアノを録画したものを聴いてもらうのはどうかと何度かチャレンジしたもののノーミスで弾きとおすことがなかなかできない。特にビデオを回すと無駄に力が入る。

妹と相談して三人でオンラインバースデーパーティーを開くことにした。住むことろが離れている三人が顔を合わすのはコロナのせいでずいぶんハードルが高くなってしまった。約束の時間にビデオ通話を始めると母はきれいにお化粧してプリント模様のブラウスでおしゃれしてリビングのソファで待機していた。そして妹も母に似て落ち着いた佇まいで参加。一時間くらいも談笑しただろうか。

ようやく緊急事態宣言も解除されるとのこと、近いうちに新幹線に乗って訪ねられそう。その時には私も目いっぱいおしゃれをして行こうと思う。そして母の好きな和食のお店にでも行ってのんびりしたいものだ。そして男兄弟5人の中の紅一点で蝶よ花よと育てられた母の79年のことをたくさん聞きたい。

今日はいろいろなニュースがあった日でした。皆様も一日お疲れさまでした。ゆっくり休んでまた明日。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?