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マリエの走り書き

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現実とフィクションが入り混ざった短い走り書きや、ちょっとしたエッセイなど。
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記事一覧

ドミナントの話。〜最近の感情の走り書き〜

近頃の僕は少しおかしい。 吹きつける夜風の心地よさを、目を閉じて全身で感じたりする 歩きながらつねにここでは音楽が鳴っている 頭の中にはいくつもの素敵な想像が広がっている ほら、また浮かんできた。 空想と現実の境目が、よりわかりにくくなっている やりたくないことが全然手がつかなかったりする これはちがう。ここは嫌だ。の感度が高い より周りを冷静に見ている。わからないな、と思う とても冷めている。自分の異質さをいよいよ認めざるを得なくなる 仮面をかぶるための

境界線を越えてゆけ〜空き地で見た映画と、タイムラインと美しさの話。

落ちていた。ひどく頭痛がする。 沈んだままの気持ちは、昼過ぎのベッドの中でずっしりと重みを持ったまま、一向に浮かんでくる気配がない。 こんな日ばかりが続いている。 夏の太陽が忘れ物をとりに来たかと思えば、 突然の木枯らしと、置いてけぼりにされたような気持ちにさせる秋の匂い。 だがどうやら、夏の太陽はまだ忘れ物を残しているらしい。 懲りないやつだ。 万人にわかる正しい言語で、テレビの中の天気予報士がそんな内容を告げている。 こんな気候じゃ調子も狂う、と文句も言いたくなる

平成最後に見た夢の話。〜それじゃ、よい旅を〜

平成最後の朝は、二度にわたる夢を見た。 夢の中で見た夢と、夢の中で夢から覚めた夢。 私はいつも、似たような夢を見る。 だいたい決まって家族や吹奏楽など過去にまつわる夢か、 夢らしくないリアルな仕事の夢、 たまに心の底から憧れる人(ほぼミュージシャンだ)に会えてしまう夢。 でも今回見た夢は、あまりにも鮮明で珍しい夢だった。 ◆夢の中の夢 「ほらね、だから言ったじゃん。」 横たわった祖父の胸元が、かすかに動いている。 静かに動かなくなったはずの身体が、たしかに呼吸をして

触れるな、簡単に〜酒に酔った走り書きの話。〜

今の私は酒に酔っているから、話半分で聞いてほしい これはあくまでも酔った私が走り書きしたものだ 冷静になった自分がこれを見てどう思うかはわからない。 ◆ 真っ暗闇の中、言葉がぽつりぽつりと氾濫していく だんだんと形が見えてくる その空間は、大きくなっていく 壁?天井?そんなものは今、どこにもない 知らない誰かに手を引かれて、言葉でできた夢の中を彷徨う あ、たぶん、知っている これはきっと悪い夢だ 「まだいくの?」 「もう少しだけ」 「まだいくの?」 「もう少し、もう

初めて後悔したことと、クラシックの話。〜Gnuはもうすぐ大きな群れになる〜

熱に浮かされながら長い間途切れとぎれに見た夢は、なんだか楽しいものばかりだった気もするが ようやく意識もはっきりとしてきた昼下がり。 温かい出前が一足早く届いたというのに頭の中では勝手に一人語りが始まってしまっている 私の脳内に潜んでいる"饒舌な私"が勝手に自分語りを始めるのはよくあることで、一言目が始まるともうそいつの話は止まらない。 私の筆も私自身の意識も私の心の準備も追いつかないまま、勝手にものすごいペースで進んでいく。手で書きとめる作業がいらないから、まるで架空

冬の雑踏の中での話。〜家までの10分間で歩きながら書き殴ったフィクション

カッコつけない文章を書いてみる いつも人前に何かを晒す時は、一歩すくんでしまう うじうじと考えて、小綺麗にまとめて、遠慮して …バカバカしい。 それをなくすことが わがままにありのままを吐き出すことが おそらく来年の目標だ 来年?なぜ来年まで待つのか 年末年始なんて誰が決めた 時間なんて、年齢なんて、そんなもの言い訳じゃないか うまく使える時だけ使えばいい そんなものに従う必要はない 俺は今それどころではない 酒が入っているとBPMが6くらい早く聞こえるのは何故だろう