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はじめまして 〜キンレンカとお隣さんの思い出〜

注)改名しましたが、初心を残しておきます↓

初めまして。mariciです。【まりし】と読みます。

由来は幾つかありますが、ビビリの私、何か有り難いものにあやかりたく、梵語で「ひかり」を意味するという摩利支天さまの名前をお借りしました。

遡ること約10年、27歳のクリスマスの朝、起きて鏡を見ると、目の周りを中心に肌は真っ赤にただれ、まるで別人のような自分が写っていました。突然見舞われた「ひどいアトピー」というクリスマスプレゼントをとても受け入れることができず、ただただ困惑し、嘆いていました。

漢方医の先生とのいい出会いがあり、約半年で脱ステロイドのち治癒。それ以来「衣(癒)・食・住」および様々な自然療法について学び、日々の暮らし、子育てに取り入れてきました。

今回はこのnoteを始めようと思ったきっかけを、簡単なプロフィールを交えながら書いていきます。


一昨日、「ヒルデガルト 緑のよろこび」という映画の上映会に参加しました。ヒルデガルトについては名前以外知りませんでしたが、12世紀のドイツを生きた多彩すぎる修道女で、得るもの、共感するものが多すぎて、ヘドバンさながらに頷きまくりの鑑賞でした。

途中、ベルナルド・リエター氏(経済学者、今年2月に他界)がヒルデガルトについて語る場面で、リエター氏の背後に見覚えのある葉が茂っていることに気づきました。キンレンカ(ナスタチウム)です。

子どもの頃、お隣さんの家のプランターに植えられたキンレンカは、緑の可愛い葉っぱと明るいオレンジや黄色の花をつけていました。その葉と花が食べられるということを教えてもらったときはとても驚いて嬉しかったものです。その少しピリッとした刺激を味わいたく、時々摘んで楽しんでいました。

今の私にとって、野草を食卓に載せることは小さな喜びです。すっかり忘れていたこの記憶に、食べられる植物(エディブルフラワー)に心ときめく自分の原点を見ました。

お隣さんは、彼女が引っ越すまでの10年間、とても可愛がってくれて、多くのことを教えてくれました。成長するにつれ、面倒に思うこともありましたが、交流は続きました。

私に二人目の子供が生まれてからは訪れることもなくなり、久々に会いにいきたいと思った矢先、春の声が聞こえた頃に彼女の訃報を知りました。

そういえば、お隣さんは「よく眠れるように」と、ガラスの小瓶からいい香りの液体(ラベンダー精油)をティッシュに垂らしてくれました。思い返せばそれが私とアロマとの出会いでした。日本にイギリス式アロマセラピーが入ってきたばかりの80年代後半のことです。

そういえば、小学生の私に英語を発音記号から丁寧に指導し、語学の「土台」を作ってくれたのもお隣さんでした。その後、語学系の大学へ進学しポルトガル語を専攻、企業の海外事業部、在日ブラジル人のためのNPOでのボランティア、教育現場でのポルトガル語通訳などを経験しました。そういった形で外国語を生かす機会は今はほぼありませんが、かつて育まれた語学の土台は、自分の興味ある分野を深め、暮らしを楽しむ土台になっています。

「喜びを数えたら あなたでいっぱい」という米津玄師さんの「パプリカ」の一節が浮かぶほど、お隣さんからは多くのものを受け取りました。今の私を作るたくさんの種です。


彼女の葬儀に向かう途中、駅のトイレの鏡で、眉以外はすっぴんのまま家を飛び出した自分に気づきましたが、そのおかげで黒いマスカラの涙を流さずに済みました。

映画にも出演し、上映会のゲストとして登壇したペーター・ゲルマン氏によると、「大切な人をなくして悲しいのは、自分の魂の一部がその人と共に行ってしまったからで、その魂が自分に戻ってくる頃に、悲しみも癒える」ということなんだそうです。


お隣さんが小さな私に、自然を愛し敬う心の種を分けてくれたように、私自身も縁のある方々に種を分ける「お隣さん」として、自然療法やナチュラルな暮らし、生きづらい心とどう付き合うかなどを中心に、綴っていきます。よろしくお願いいたします。


(キンレンカのイラストは9歳の娘が描いてくれました。)

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