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兆しを紡ぐ 随筆集

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続き物のエッセイとコラム。物語はいつも続いている最中。
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#夢

2、夢を伝って入ってくるもの

2、夢を伝って入ってくるもの

夢は、何のために見るのか。なぜ見るのか。これはいまだに、解明されていないことのひとつではなかったかと思う。

世の中に分からないことがまだある、という話を聞くと、ほっとする。分からないことがあるというだけで、自分が取り戻って安心する。

いろんなところの七不思議とか、想像が留まるところを知らないようなでかいわからないは大好きだ。謎は謎のまま解明されなければいいのに、と割と本気で思う。

同時に、解

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1、夢で電話が鳴った。

1、夢で電話が鳴った。

電話の映像はなかった。
いきなり頭の中に電話の音だけが鳴り響いて、目が覚めた。

目が覚めたというより、叩き起こされた。

寝起きに聞く音は、たいてい、遠くで鳴っているように聞こえる。しかし、夢と覚醒のあいだに鳴ったこの音は、聴覚器官に直接音を響かせたかのような、はっきりとした、つんざくような音だった。

だがしかし、それは朝の4時台だった。私は何も考えずに二度寝をした。そしたら、また同じように、

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