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「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

丸一日かけて、現代美術館に行きたい。それが最初の感想だ。

タイトルには「13歳からの」と銘打ってあるが、決して子供向けの本ではないし、美術やアートが好きな人だけに向けた本でもない。受け取り方、感じ方は千差万別だと思うが、私は直感的に自分の感覚との方向性の近さを感じて読み始めた。

実際に、「アートとは何か」という問いに対しての自分の中のもやもやした感覚が明るみになり、その下に隠れていたフレッシュな感覚が、スッと水面に現れたような清々しさを覚えた。表面でかたくなったいろいろなものが削ぎ落とされて、内から何かが生まれる感覚は、洗練とも言えるだろう。

作品に媚びることなく、知識や周りの意見を鵜呑みにするだけで終わらせるのではなく、まずは率直な感覚を大事にしてみる。すると、自分の中にある色々なフィルターや壁が見つかり、さらにその奥を知ることができる。受け身で全てが済まされやすい情報に溢れた世の中で、その感覚は貴重であり刺激的だと思う。これはまさに、私がサークルで実験してみたいこととも重なってくる。

逆説的ではあるけれど、私はそういうアート思考が全てだとは思わないし、それが優れていると言いたい訳でもない。何を楽しい、興味深いと思うかは人それぞれ。ただ、その一番根っこの感覚を大事にするという意味では、きっと誰しもがハッとするのではないかなと思う。

今の私は、透明な清流に身を預けるように、そよそよと、サラサラと、全てをただそのままに感じたい。




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