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モスクワのメトロポールホテルについて Part-1

「メトロポールホテル」はモスクワ市の中心部にある5つ星ホテルです。
所在地: Teatralny proezd, 2.
ホテルは1899〜1905年に建てられました。
建設の発案者はサヴァ・マモントフでした。彼のリクエストに応じて、ウィリアム ウォルコットが最初のデザインを行いました。

1905年初頭に開業したメトロポールには、電灯、お湯、部屋の電話、エレベーターなど、当時の文明の利器が備えられていました。
動画で紹介しているエレベーターのステンドグラスを御覧ください。
昔からの形を今でも保っています。

このホテルはアールヌーボーの代表的な建物であり、この様式の最も重要なモスクワの歴史的および建築的記念物の一つとして評価されています。

このホテルは、ロシア帝国時代、ソ連邦時代、そして、ロシア連邦と、3つの体制を経験してきた歴史あるホテルです。

1918年初頭、新生ロシア政府はモスクワに移り、メトロポールには全ロシア中央執行委員会(ソビエト議会)と一部の人民委員部が置かれました。
全ロシア中央執行委員会の議長であるヤコフ・スヴェルドロフと彼のスタッフは、メトロポールに居住します。
今でもそのような部屋のいくつかは当時の状況に近い状態で保存されています。

1929年4月、ソ連政府は外貨取得のため、ソビエト連邦への外国人客の誘致と接待を担当する国営株式会社インツーリストが設立しました。メトロポールホテルも、1933年にインツーリストホテルのグループメンバーになりました。

1986年から1991年にかけて。
ホテルはロシアの設計事務所Mosproekt-2の監理の下、フィンランドの建設会社により、大掛かりな修復および再建が行われました。
修復作業中に、ファサードは元の外観を取り戻しました。
内部では、元の壁画がペイントの層から取り除かれて復元され、多くの装飾要素が復元されました。
当時の修復作業を見た人の話では、美術品の修復の専門家が、天井や、壁の修復を手作業で入念に行っていたそうです。

ホテルの再建と修復工事では、建物の基礎が注入杭で強化され、木製の床が鉄筋コンクリート製の床に置き換えられましたが、古い間仕切りと吊り天井は保存されました。
ファサードと構造は古い建築様式で完全に復元されました。
ホテルオリジナルの32ルーム、エヴロペイスキーレストランとボヤルスキーレストラン、そして豊かに彩色されたガラスのドームがある伝説的なレストランのメインホールとレストランの2階にあるバンケットルームを含むほとんどのインテリアが、歴史的建築考察に基づき、オリジナルに復元されました。

但し、1階のメトロポールレストランの元のガラスドームの上に、別の保護用のドームが建てられました。
改築後もエレベーターに続くロビーは、以前の内装が保存されています。

ホテルは修復後に 1991 年 12月5日に開業しました。

1992年、ホテルはモスクワ市の所有権に移管されました。

2018年8月、ほぼ100年ぶりにメトロポールは民営化されました。
その後、ホテルの新しいチームは、歴史的遺産を維持しながら、世界で最も近代的なホテルの1つにするために、ホテルの世界的な改装を開始しました。

メトロポールホテルの4階のホールには、メトロポールに関する様々な歴史を語る写真が展示してあります。

その中には、ホテルに宿泊した国家元首、政府首脳、映画界、ポップスター等の写真も飾られています。

ホテルはその歴史をブランドの一つとして、大事にしています。
ホテルは、長年勤めてきたスタッフによってホテルについてのエクスカーションがホテルのお客様、外部のお客様向けに行われています。
説明は、ホテルの歴史、客室、レストラン、会議室の説明、様々なエピソードなど、エクスカーションに参加する人々が飽きることはない内容です。

数年ぶりこのホテルを訪れました。
正面玄関の入り口の場所は変わりましたが、ロビーやレストラン、客室の美しさは、時を経ても変わることがなく、そればかりか、歴史を尊重することで、他のホテルにはない美しさを加えていました。

ここまで読んで下さりありがとうございます。
私なりの目線で捉えた動画です。
ぜひ動画をご覧ください。


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