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1~5話 6〜10話 11~15話 16~20話 21話 22話 23話 24話 25話 26話 27話 28話 29…
こんなことしてもらえる作品になったんだな、堂道よ。 お前、愛されてるよ! 日頃より…
会社のほど近く、オフィス街のこんなところにあったのかと思う場所に、一軒だけ存在していた。…
濃い目の口紅をぐるりと乱暴に塗りつけて、ジャケットを脱ぐ。 薄手のブラウスに、今日はあ…
糸は、いつかのリバーサイドにいた。 手すりにもたれて暗い川を見ながら、買ってきた缶チュー…
「池手内課長ォ、コレもうちょっとわかりやすく書けねえんですかネェ?」 「い、いや、それは…
日暮れとともにマリーナに帰港し、みんなで荷物を下ろしていると、堂道母に声をかけられた。 「今から食事に行くのよ。糸さんも是非いかがかしら」 陽は落ちたのにつばの広い帽子をかぶり、コーディネートの良し悪しはさておき、一目で高級ブランドとわかる柄のリゾートワンピースに着替えている。 聞きつけた姉春子が、糸の腕に自らの腕をからめて、 「糸ちゃん、ステーキよー! 行きましょうよ」 そこへ堂道がやってきて、話に割って入った。 糸の手から持っていた荷物をさらいながら、 「今日
若いことと初婚であることは、気づかないうちに糸に胡坐をかかせていたらしい。 周りの反応…
「玉響サァン」 席の後ろに立った人に名前を呼ばれ、糸は振り返った。 見上げると、見慣れ…
「……堂道さん、ゆっくりして行ってくれ。わたしは少し出かけてくる」 父は答えを出さないま…
「人間、早々変われるモンじゃないよねー」 「あー、久し振りだわー。この不快感」 小夜と夏…
ひととおり食事を終えると、酒を片手に場所をソファに移した。 たわいもない話をしながら…
ショッピングモールを出て、歩いて帰る。 昼間は新しい街並みも、夜になれば暗さが目立つ…
二年間、離れている間にはけんかもあった。 この時以外にもさみしくて八つ当たりしたこともあったし、辛くて泣いたこともあった。 すれ違いで、さすがにもう無理だと弱気になったこともなくはない。 しかし、今日新幹線に乗る糸はうきうきしていた。もうそんなことは全部、綺麗さっぱり忘れてしまっていた。 新幹線のチケットは久しぶりに自分で買った。 堂道に一応は歓迎されるようになってから、あらかじめ約束をして訪れる日は、ネットで指定席を予約しておいてくれるようになった。 糸の経