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実験:すいすいパスタ(水漬けパスタ)は本当にもちもちなのか

Facebookで誰かがイイネ!して時々あがってくる「〜してみた」系記事。そんな中で「乾燥パスタを水に漬けてから茹でると、安いパスタもモチモチ、生パスタのようになる」というのがあったので、試してみました。読んだ記事はこちら(ネットで話題の「水漬けパスタ」がすごかった! 安いパスタがモチモチ・ウマーな生パスタ風に大変身)。

ちょっと古い記事でしたが(2013年)、普通の乾燥パスタを1−2時間水につけておき、その後1分ぐらい茹でるといいらしい。それだけで「生感たっぷり」になるらしいぞ!生の手打ちパスタは買うと高いし(5-6倍)、たまーに自分で生パスタ打つけど手間もかかるし、これは試してみるしかないでしょう!!

写真を撮り忘れましたが、使ったのはスーパーでよく売っているBarillaというイタリアのメーカーのフェットチーネ。一応イタリー製ですが、スーパーの自社ブランドの次ぐらいに安い。2ドルちょっと。

まずこのパスタを、水に漬けて1−2時間放置するそうです。別に一晩置いても変わりはないんだとか。この長さのパスタが入る容器がなかったため、ちょっと端を折って入れました・・入れた直後に、ピッチャーに水を入れて縦にパスタを入れれば良かったことに気づく・・。

2時間半ぐらい経過した図。白く、ぐにゃっとなっております。こうなったものを、1分間茹でれば良いらしい。茹でてる写真をまた撮り忘れた。

さて、料理法を変えることでどれだけの効果があるのか、A/Bテストは重要ですよ。「水につけておくとどれだけ食感が変わるのか」比較対象が必要となりますので、通常通りに茹でたパスタも用意します。普通に茹でた【通常パスタ】は、Barilla 社の推奨する通り、8分間茹でました。

【通常パスタ】を引き上げたところで、次は水に漬けておいた【実験パスタ】を1分ほど茹でました。お風呂でふやけた指先のように白かったパスタですが、お湯に入れるとパスタの色が戻ります。

茹で上がったところで、ちょいと両方試食してみましょう!やっぱり、【実験パスタ】がどんな食感に仕上がっているのか気になります。見た目は全く違いはありませんが、やっぱり生パスタ風になっているのか?

神経を集中させ、【実験パスタ】を一本試食。「ん?なんとなく、もちっとしている?というか、柔らかい?

続いて【通常パスタ】を一本試食。食感の違いを探ろうとしているのに、なぜか目が左右にキョロキョロしてしまいます。「ん?なんとなく、【実験パスタ】よりも平坦な感じがしないでも・・・・・ない??

実食は、シンプルに、バターとパルメザンチーズを削ったものを絡めた「アルフレッドソース」でいただくことにします。お皿の下に薄く切ったバターを敷き、パスタを載せ、チーズをかけて混ぜます。5歳の娘「小さいさん」にも、今回の実験の趣旨を説明し、食べた感想をいただくことにします。

ちなみに、手前がテスト版、奥が通常版です。あれ、逆だったっけな・・

さて小さいさん、いかがでしょう(感想は全て英語でいただきました)。

「(実験パスタを指し)こっちのパスタのほうが、スムーズである。

・・Σ(゚Д゚) おお、ヤッパリ違うのね?!

なぜならば、フォークで食べようとすると、ツルツルフォークから滑り落ちるからである


・・そりゃ単にあんたのフォークの使い方が下手なだけだよ!!

肝心の大人の意見をいただけるパパは、こんな日に限って帰宅が遅く、迅速にフィードバックが貰えないのが辛いところ。

では私が頂いてみます。

結果は・・・

「・・・」


「・・・・・」


「・・・・・・・・・・・」


・・・・どっちも同じや

茹で上がった時全神経を集中させて見極めようとしたホコリの大きさほどの微妙な違いは、ソースが絡められ皿に載った時点で完全に消え失せ、食卓にはただただ山盛りになった全く同じ食感・内容のパスタがふた山あるというだけの事態になっておりました。味覚の鬼海原雄山でさえ、片方を食べた時点で「このパスタを水につけたのは、誰だぁぁ!!!」とはならないのではないか・・・

もし乾燥パスタを水に漬けて茹でたものを「どうだい?生パスタみたいだろう」とドヤ顔で出す輩がいたならば、いつもどおりに乾燥パスタを普通に茹でたものも、生パスタですと言わなければいけなくなるのではないか・・・!!

帰宅したパパにも食べさせてみたところ、なぜ同じパスタが2つの皿に盛られて出されたのかわからない様子。さらにパスタが冷めた後となっては、もうその差はゼロ、ただの冷たいアイデンティカルパスタでしかなくなっていました。

他にもこの水漬け方法を試してみたというウェブ上の記事を読んでみたけれど「もちもち」との感想が多数。ただし通常の茹で方をしたパスタやましてや本来の生パスタとの比較検討はされていなかったので、おそらく食感に関する効果は

気のせい

なのかなあと思います。確証を得るには後3回ぐらい比較実験したほうがいいのかもしれませんが、得られる成果物に比べて、実験者の精神的肉体的負担が必要以上にかかりそうなのでやめておきます(面倒)。

ふと気になり最初に目にしたねとらぼの記事を再度みたところ、このアイデアはもともと「ためしてガッテン」で紹介されたものだとのこと。そこでリンクが貼られていた番組のウェブサイトも確認してみたところ、「時短テクとして紹介されてはいるが、食感が生っぽくなるという記載は一切ない」ことも判明・・・。

どうも誰かがツイッターで「もちもち」と呟いたのを、みんなが真に受けてどんどん「水漬けパスタ=もちもち」というキーワードで情報が拡散されたようです。えーなにそれちょっとー

時短テクとしても、家庭でやるには結構事前準備が必要な上に、どっちにしろお湯は沸かす必要があるので、1分も8分もあんまり変わらない気もしないでもない(ナポリタンだとそのまま茹でずに炒めちゃうこともできるようですが)。レストランの厨房なんかでは使えそうな感じのテクニックではありますが・・・。

というわけで、このレシピ、リピしません!今回の教訓は、例えそれがパスタであっても、ネット上の情報を鵜呑みにしちゃいかん、噂を信じちゃいけないよ〜♪ってことだったのでしょうか。あーこりゃこりゃ。

(以前自分のブログに書いたものを多少改訂して転載しますた)

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