【読書】足軽になってからが面白い~『姉川忠義 北近江合戦心得(一)』(井原忠政)~
「三河雑兵心得」シリーズのスピンオフ作品とでも言うべきシリーズです。
↑kindle版
「三河雑兵心得」シリーズの主人公の茂兵衛が足軽出身で、武士の忠義というものに半ば批判的なのに対し、こちらの主人公の与一郎は、浅井家に仕える武士として、愚直なまでに忠義を貫こうとします。
とはいえ、何の疑問も持っていないわけではないようですが。
まるでスナイパーのようで、これはちょっと意外でした。与一郎自身、「なにか、とてつもなく卑怯な戦い方をしているように思えて不快」(p.14)と言っていますが、時代劇のように「絵になる」戦い方をしている場合ではないということですね。
これ、チコちゃんでも言っていた記憶がありますが、備忘録として書いておきます。
羚羊(レイヨウ)がカモシカのこととは知りませんでした。確かに「かもしか」で変換すると、「羚羊」が出てきますね。また、「あお」とも言うそうです。
こう説明されると、分かりやすいです。
読み始めてしばらくは、「三河雑兵心得」シリーズの方が面白いかなと思っていました。与一郎の忠義を貫こうとするための要領の悪さが、ちょっと付いていけなかったので。でも与一郎が織田家の足軽になってから、俄然面白くなってきました。浅井家に仕えていた与一郎が、なぜ宿敵の織田家に仕えることになったかというと、1つには浅井家が滅び、牢人になったからです。もう1つの理由は、ネタバレになるので書けませんが。
ともあれ、続きが楽しみです。
見出し画像は、岐阜城から見下ろした長良川です。与一郎と弁造がよく、長良川の河原を密談の場としているので。
↑文庫版
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