【読書】千鳥ヶ淵は水瓶~『奥州仁義 三河雑兵心得(拾参)』(井原忠政)~
「三河雑兵心得」シリーズの第13巻です。
↑kindle版
茂兵衛は今巻では(今巻でも?)、大移動です。高野山から駿府城に戻り、江戸に引っ越した後、奥州に行かされます。ありえないほどの大移動です。
何と、わざと悪路のままにされていたとは。
茂兵衛の暴力(今回の場合は耳を掴む)は本多正信に言わせると、「愛嬌と軽みのある暴力」(p.26)だそうですが、茂兵衛ならずとも、今一つよく分かりません……。
茂兵衛の娘の綾乃が茂兵衛を「父上」と呼ばず、「もへえ」と呼び続ける理由が、ついに明らかになるのですが、綾乃の健気さに泣けます。
千鳥ヶ淵が水瓶だったとは、知りませんでした。ちなみに上の台詞は半蔵のものなのですが、茂兵衛と綾乃と半蔵の遠足、なかなか面白いです。
ほうほう(←茂兵衛の真似)。
以逸待労は初耳なので、控えておきます。
孟宗竹は直径20センチ、真竹は条件が良くて直径10センチなので、竹束を作る大変さが想像できます。
ほうほう。
ああ、だから後年の関ケ原の戦いでも、あんなことに……。
九戸政実の言葉ですが、これは坂上田村麻呂の頃から虐げられてきた、みちのくの人々の思いでしょうね。
茂兵衛の言葉ですが、三河と尾張の関係が微妙な理由の一つはこれかと、納得がいきました。
見出し画像は、分かりにくいですが、一応千鳥ヶ淵です。
↑文庫版
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