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石川県立美術館のコレクション展に行ってきた

金沢旅行の最終日、石川県立美術館を訪れました。

訪れたのは約1週間前ですが、記憶が薄れないうちに(すでに薄れつつあるという噂もありますが)、まとめておきます。


本多の森を通って美術館に向かう途中、外国人の方が彼岸花を撮っていました。私も負けずに(?)撮影。

彼岸花

何となく関東の彼岸花より、色が濃い気がしました。


美術館に入り、まずはここの顔とも言うべき野々村仁清の「国宝 色絵雉香炉」と「重要文化財 色絵雌雉香炉」を、じっくり拝見。

実際の雉も、雄の方が色鮮やかだから仕方がないのですが、雄が国宝で雌が重要文化財というのがね。でも、どっちも素晴らしいです。

続いて、「前田家の至宝Ⅰ」。

本当に至宝ぞろい。高野切の文字には、こういう字を書きたいなぁと、うっとり。


「古美術」の部屋では、古九谷が結構まとめて展示されていたのですが、古九谷と潜伏キリシタンとの関りが説明されていて、印象的でした。潜伏キリシタンとの疑いから、有田から追放された日本人陶工を受け入れたのが前田家で、それが九谷焼が誕生したきっかけの1つであるようですが、古九谷の少なくとも一部には、キリスト教のモチーフが隠されているのです。

まんま、十字架がさりげなく使われているものもあれば、説明を読んで初めて分かるものもあります。例えば「色絵布袋図平鉢」なら、布袋は弥勒菩薩の化身→弥勒(マイトレーヤ)は救世主→イエスも救世主、と考えるそうです。太鼓腹の布袋さんが、ガリガリのイエスの象徴と考えると、ギャップにびっくりです。

↑これをクリックすると、「色絵布袋図平鉢」の画像と説明を見ることができます。


「Rey Camoy ー鴨居玲 晩年の肖像ー」も、なかなかすごかったです。

鴨居玲という画家は初めて知りましたが、自分の才能に押しつぶされてしまったのかも。スペインが性に合っていたようだから、そのままいられれば良かったのでしょうか。


「模様を楽しむ」も良かったです。


一番気に入ったのは、「色絵飾皿『春よこいこい、春よこい』」です。

色絵飾皿「春よこいこい、春よこい」(後上俊香)

千鳥模様の可愛さときたら! そして千鳥のサイズがだんだん変わっていくのですが、どういう風に計算して描いたんでしょうね。少しでも間違えたら失敗なわけで、その集中力を思うと、驚異的です。

色絵飾皿「春よこいこい、春よこい」(部分)


「金襴手更紗小紋食籠」も、同じ理由で感服しました。

金襴手更紗小紋食籠(三代上出喜山)

食籠って、茶道具としては主菓子を入れるものだそうですが、こんなすごい入れ物に、何のお菓子を入れれば良いのー。


ロビーの彫刻も、なかなか良いものがありました。

ひだまり(木村珪二)

これ、強化繊維プラスチック製なのですが、金属感がありました。


試作(吉田三郎)

写真だと伝わりませんが、柱の陰に隠れている人みたいでした。


口笛(宮地寅彦)

口笛を吹いている方ではなく、聴いている方なのね。「え、なんですって?」という感じです。


なにがすごいって、これらを290円(団体料金)で観ることができたことです。企画展をやっている時期ではなかったので、コレクション展のみの値段ですが、破格かと。そして、絵葉書の安さにもびっくり。全部ではないのでしょうけれど、少なくとも「国宝 色絵雉香炉」と「重要文化財 色絵雌雉香炉」をはじめ、所蔵品の絵葉書は50円でした。


美術館を出た後、また本多の森を通りましたが、木の大きいこと。

本多の森の松

これ、2本の松に見えますが、実は下は1本です。
大きい木が沢山ある環境は、そのまま保全するべきですよね。


この前の日に行った「WHO AM I 香取慎吾 個展 SHINGO KATORI JAPAN TOUR」についての記事は、以下をどうぞ。


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