よる寝【掌編】
「よる寝しちゃった」
「よる寝?」
「うん、よるに寝ちゃったってこと」
「よるに寝るのって普通じゃない?」
「いやわたしってヴァンパイアだから基本的に昼に寝て夜に仕事するのよ。だから夜にも寝ちゃったら、作業時間が減っちゃうの」
「そういえば、あなたってヴァンパイアだったわね」
「そうよ、日中の時間はわたしにとって《命取り》なんだから。ところで、あなたはいつ寝てるのよ?」
「いや、それをわたしに聞く?わたしなんて、永眠してるわよ」
「ああ、そういえばあなたはオバケだったわね」
「そうよ」
―こうして夜が明けていく。
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