韓国のECスタートアップ「Always」が半年でDAU130万を達成できた理由
こんにちは。まろです。
みなさんはこれがどのようなグラフなのかわかりますか。
このグラフはこの記事のタイトルである「Always」の安価コマースプラットフォームのDAUの推移です。Coupang(韓国のAmazon)、Temu、AliExpressといった強者が存在する厳しいECのマーケットで、Alwaysがどのようにしてこのような常識を超える成長ができたのかを韓国のいろんな記事を参考に分析していきます。
また、Alwaysの成功を受けて、他の韓国の大手やユニコーン企業もこれを真似し始めましたが、あまりうまくいきませんでした。その理由も紹介したいと思います。
Alwaysの創業・成長ストーリー
1. 創業期(21年末〜22年初)
21年末、試行錯誤の中でAlwaysというサービスをリリース
爆発的な反応を作るためにいろんなチャレンジを行う中で、「超安価共同購入」というビジネスモデルをテストた結果、短期間で爆発的なユーザーの反応を体験
当時みかん🍊で販売を行っていたが、とてもバズった
2. 停滞期(22年初〜22年末)
卓越した初期の成果をもとにファンドレイズにも成功したが、その後数ヶ月間成長が止まった。
超安価を作るために会社の費用で無制限に割引をするのは以下の理由で難しいという結論を出す。
顧客の再訪問・リピートの誘導が難しい
費用効率的ではない
持続可能でない(Not Sustainable)
このようにハードな数ヶ月を過ごし、もっと持続可能で意味のある成長を作ろうと決心
3. 2次成長(22年末〜23年末)
KPIをただのGMVではなく再購入取引額で定義
様々な検証を実施し、この過程でAlFarm(オールファム)などのリワードマーケティングが再びバズる
22年末から再成長し、半年でDAUが100万を超える
成長の秘訣
Alwaysの成長にはオールファム(農作物を育てるゲーム)、出席などのリワード機能が理由だと評価されております。
Alwaysはこのようなゲーミフィケーションを用いてユーザーが特定のミッションを達成するように誘導し、そのミッションを達成するとAlwaysでもの購入が可能なポイントを支給します。(中国の拼多多というECのベンチマーク)
これにより、ユーザーはポイントを貯めるために、もっと頻繁にアプリを起動するようになります。また、貯まったポイントを使うためにまたアプリを起動するという好循環の輪ができました。
AlFarmを通じてサツマイモを育てると実際にサツマイモを一箱送ってくれます。そのために多くのユーザーがゲームでサツマイモを育ててます。
中国のECのベンチマーク(拼多多)
このようなビジネスモデルは中国の拼多多をベンチマークしました。拼多多はAlwaysのようにアプリの中で特定のミッションを完了したらポイントをもらえるシステムにより、中国で一番早い成長をしたコマースフラットフォームという評価を受けています。拼多多は最近DAU基準でアリババを超えるほどものすごい成長をしています。
拼多多は中国のLINEと呼ばれるWeChatを通じたチーム購入、共同購入のサービスです。Alwaysもこのような拼多多の革新機能をベンチマークしましたが、中国と違って韓国は他の人に「これ一緒に買おう!」とメッセージを送ることに対する心理的・文化的なハードルが高いと思います。(ここは日本もそうだと私も勝手に思っています)。韓国のカカオトークも同じようなサービスを試してみましたが、同じような理由でうまくいきませんでした。このようにAlwaysはいいところをベンチマークし、それを韓国に相応しく適応させて成長を作ってきたのだと思います。
AIのテストを通過しないと販売ができない。
「Always」はAIもうまく活用しています。面白いところは誰でも販売ができる他のECと違い、AIのテストを通過しなければ販売ができないところです。
どういうことかというとAlwaysに出品したいと申請をするとAlwaysが代わりに費用を払って30%ほどの割引を行いながらテスト販売(1000人人ぐらいにリーチ)を行います。また、実際に顧客がどれぐらい注文するのか転換率などを確認します。このAIテスト販売に通過したら正式出品ができるようになります。つまりMDのような人の判断ではなく、ユーザーの反応をAIが確認し、出品するかどうかを決めるということです。
魅力度システム
また、他のECは広告などでフラットフォームにお金を払うともっとリーチしやすく露出してくれることに対して、Alwaysは再購入率・レビューなどのデータを元に反応のいい商品をもっと上位に露出するシステムです。それを「魅力度」として、点数で評価します。
販売量支援制度
また、販売量支援制度があります。出品者が自分で値下げをする場合に、商品の魅力度ベースでAlwaysが一定の販売量を保証します。保証された数量以上販売されなかったときにAlwaysが全額保証します。
Alwaysを真似して失敗した企業
AlwaysのAlFarmが成功し、他の大手・ユニコーンスタートアップが同じサービスを導入しました。韓国のユニコーンECサイトである「Kurly」や「今日の家(오늘의집)」が代表的です。両方企業価値2000億円ほどの巨大ユニコーンスタートアップです。また、TossといったFintech、E -martのようなオフライン中心のコマースモールも同じようなサービスを開始しました。
ですが、このような企業たちはAlwaysと違って上手くいかなかったケースも多くあります。Alwaysは発見型ショッピングを目指しています。単価が低く、衝動性購入が多いので、とりあえずユーザーがアプリを起動しさえすれば購入まですぐ至らせることができます。
それと違い、購入する状況が決まっいてる場合はTrafficの成長が実績に繋がらない可能性もあります。家具のECである「今日の家(오늘의집)」が代表的です。どれだけゲームが面白く、アプリをもっと起動しようが、家具を買う時期は引っ越しなどのタイミングが決まっています。
それにも関わらず効果はあった
ですが、このようなチャレンジが全く意味がないわけではありません。効率の違いはありますが、トラフィックが貯まれば結果的に購入につながる可能性があるということは事実です。
Alwaysの最近
Alwaysはすごい成長をしましたが、利益の低さや成長の停滞などまだ多くの課題が残ってます。このような海外の企業の例をみて、自分のビジネスにどう活かしていけばいいのか、いつも悩んでいます。
コメント
最近自分のサービスの正式リリースが近づき、どのように初期のマーケティングを実施していけばいいのかとても悩んでいます。海外のイケているスタートアップはどのように初期のマーケティングを実施したのか、FacebookやInstagram、Googleなどの見飽きている例ではなく、新鮮な最近のスタートアップを分析していきたいと思います。
日本語が間違ってるところがあると、いつでもコメントでご教授いただけますと幸いです。
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