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49. ショウデザイン|その場で創っていく愉しみ / イメージドリル

Moromi Works™️

1|Connecting the dots

「点と点をつなぐ」(コネクティング ザ ドッツ)
とは、アップルコンピュータを創立した故スティーブジョブズ氏が2005年のスタンフォード大学の卒業式の演説で語られたものです。

描き始めた頃は、
 - びっくりさせよう!
 - 観たことないようなものを!
ということに拘り、何ヶ月も悶々としている時期もありました。
現在は、すごくシンプルに、自然にデザインするようになりました。

"Connecting the dots" は、ショウデザインを初めてから20年を経た現在の私が、ショウデザインする際にとても大切にしている感覚です。
本稿では、どのような感覚か記していきます。

2|キッカケは2014年

「Life guard Ⅱ」という一般団体のショウデザインをしていました。
2014年にある面白い試みを行いました。

"5月の早い時期に 現場でショウのシーンを作る"
というものです。そこで創ったクローザーからエンディングにかけてのシーンは、そのままシーズン最後まで残りました。(6:04から最後まで)

3|イメージドリル

5月初旬にその場で創るドリルのことを「イメージドリル」と呼んでいます。

なぜイメージドリルと呼ぶのか?
ドリルインする前にメンバーやスタッフと、その年のショウデザインのキービジュアルやコンセプトなどのイメージを共有するためのドリルです。
創ってみると様々な良いことがありました。

  1. メンバーと事前にイメージを共有した状態でドリルインできる。

  2. カラーガードの振り付けを予め考えておける。

  3. 現場のやり取りを通して、スタッフ間で様々な情報を共有しておける。

  4. その後の展開についても、考えやすくなる。

  5. 必要なものがみえてくる。 など、、、

イメージドリルを実際に創っている空気感や緊張感は、いつも期待いっぱいの高揚感があります。
その場でメンバーにアイデアを聞いたり、イメージを伝えたりするやり取りは、これからのシーズンを想像させる愉しいひと時でもあります。
ショウクリエイト陣が揃って、実際に話をしたり、やり取りをしたりする現場をメンバーが直接目の当たりにすることもできます。
普段では決して見ることのできないひと時やそこで聞く話は、メンバーにとって印象深いエピソードとなるでしょう。

こうした時間が、モチベーションを高め、シーズンが始まることへの実感と期待感を高めます。


3| ミライがみえてくる

イメージドリルを創っていくと、次々とその前後の展開がみえてきます。
かなり具体的に。
将棋を指す感覚に似ていると感じています。

最初はそれこそ何百通りもの可能性があるものが、1つのシーンやオープニングセットが決まることによって、その後の展開が限定されます。
その後は、せいぜい数通りの未来になっていきます。(この点から考えると、オープニングセットを創る難しさ分かりますね)
だから、イメージドリルでシーンを創ると、点と点がつながっていくようにショウ全体がみえてくるのです。
ショウの方から、こちらにやって来るような感覚すらあります。
"Connecting the dots" 


4|遊び心を大切に

2014年以来、ほぼ全ての現場でイメージドリルを創ってからドリルを描くようにしています。
イメージドリルをつけて通った時は、みんなで喜び合います。
充実感と達成感に満ちた、楽しいひと時です。

このようなショウづくりができるようになるには、様々な要素が必要かもしれません。
 - 引き出しの多さ / 多様さ
 - 瞬発的な発想の言語化
 - コミュニケーション力
 - デザイン力
 - デッサン
 - アイデアの広さ
 - 遊び心  など…

最も大切にしていることは「遊び心」です。
遊び心があると、不思議とのびのびとしたものが出来上がっていきます。
また、思いがけないような面白い展開が生まれることもあります。
遊び心は クリエイトの原点だと考えています。

"Connecting the dots" 



49. ショウデザイン|その場で創っていく愉しみ


[Moromi Works™️ ]
- Show Design and Coordinate
- Music Arrangement
- Drill DesignRehearsal Design
- Marching Consultant
沖縄県出身 / 東京在住
好きな食べもの:沖縄そば / タコライス
Blue Devilsでマーチ
多数団体にショウ制作や指導、大会審査員などの活動を行なっている。
Mail:moromi.works@gmail.com



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