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紙切れ1枚じゃ終わらない・・・ベルギーでの国際離婚

旦那が自宅に帰ってくると妻の姿は無く、机の上には離婚届と結婚指輪が・・・

よく日本のドラマで見る光景である。

私の場合、元旦那の浮気が発覚した後、彼の弁護士から手紙が届いた。

手紙の内容はよく覚えていないが、「元旦那が離婚を希望しているので、至急弁護士を立てて下さい」というような内容だった。

元旦那が浮気していた事、そして離婚を切り出された事、それだけで相当な精神的ダメージを受けていた私だが、この1枚の手紙がトドメを刺した。

ベルギーでも、お互いに全ての条件に同意していれば円満離婚も可能なのだ。

だけど元旦那はなぜか最初からお互いに別々の弁護士を立てる事を希望した。

その日から、私の弁護士探しが始まった。

私はベルギーの公用語の1つであるフランス語が得意ではない。

なので、英語を話せて離婚問題を専門的に扱っている弁護士を探すのに、相当苦労した。

英語を話せる弁護士が本当に少ないのだ。

しかも、その時すでに元旦那は家を出て彼女のアパートで住んでいたので、育児・家事・仕事をしながらの弁護士探しは本当に大変だった。

そして離婚裁判を通して痛感したのは、弁護士の技量によって本当に結果が変わってくるという事だ。

私も1人目の弁護士の仕事ぶりに満足出来ず1度弁護士を変えたのだが、変えて本当に良かったと思った。

そんなこんなで、離婚裁判が始まった訳である。

離婚に対する考え方もシステムも全く違う異国で、現地の言葉も完璧には分からない状態で裁判をするのは、本当に大変だ。

大量の資料をフランス語で読み、もちろん裁判自体もフランス語だ。

浮気で慰謝料が請求できる日本と、浮気は離婚の理由にしかならないベルギー。

単独親権の日本と、共同親権のベルギー。

離婚したら基本子供は片親と生活する日本と、両親の家を行き来しながら生活する子供が多いベルギー。

何度、「悪い旦那=悪い父親」じゃないよ。子供から父親に会う権利を奪ったらいけないよ。と言われた事か・・・

結局、私の離婚裁判は約2年近くかかった。

この2年を経験した思ったこと。

裁判は、時間・体力・気力・お金を消耗するだけである。

私たちは話し合う事が出来ない状態だったから、離婚裁判は必要な過程だったと思う。

だけど、その過程で学んだのは「譲歩・妥協」する事だ。

結局裁判でも、絶対譲れない条件を得る為に、それ以外の部分をある程度は譲歩しないといけないのだ。

初めからそれが出来ていれば、こんなドロドロな離婚をせずに済んだのかなと思う。

まあ、結果論ではあるが。

離婚裁判は、子供の事で揉める夫婦が多いらしい。私たちもそうだった。

そして、私の弁護士が言った事が私は今も忘れられない。

「自分たちの子供の事だから、自分たちで話し合って決めれるのが一番」

本当にその通りだと思う。





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