仕事にきびしく、環境はホワイトに。京都のデザイン会社マーブルのお作法
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仕事にきびしく、環境はホワイトに。京都のデザイン会社マーブルのお作法

こんにちは。京都のデザインオフィス、Marble.coです。お客さんや取引先のみなさんからは、よく「マーブル」と呼んでもらいます。よかったらそう呼んでください。

2020年、マーブルの創業から21年が経ちました。デザインやってカフェやって焙煎まではじめて……と、わたしたちの仕事は多岐にわたっています。正直言って、人手はいつも足りていません。

そんなわたしたちに、「マーブルで働きたい人、ぜったいもっといますよ。京都でデザインの仕事をしたい人に届く情報を発信していきましょう」と、旧知の編集者、ツドイの今井さんが声をかけてくれました。そうかもしれないなと思いました。

これからnoteで、外から見てもらったわたしたちのことを、少しずつ発信していこうと思います。その第一弾として、これまであんまりちゃんと話してこなかった社長の長井に、会社のことをインタビューしてもらいました。聞き手は、ライターの田中裕子さんです。

——いいオフィスですねー! 自然光のたっぷり入る大きな窓があって、1Fはカフェ、地下にはコーヒーの焙煎所まである。従業員のみなさんがうらやましくなる環境です。このビル全部が「Marble.co」なんですよね?

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そうですね。ウチのメンバーには、コーヒーはもちろん、カフェのメニューも好きなだけ食べてもらえるようになってます。ぼくらは「食べること」をものすごく大切にしてて。うまいもん食うと気分も晴れますしね(お茶を淹れながら)。

ウチのカフェにかぎらずどこで食べても、勤務中の食事代は無制限で支給してます。それに加えて、毎週火曜日は京都北部の港から届く魚を刺盛りにしてみんなで食べたり。あと、カフェのスタッフがおいしいまかないを作ってくれることもあります。

まかない

——カニ食べ放題のイベントもされてるとか?

忘年会ですね。クライアントさんや取引業者さんに還元する場として、毎年カニとミカンを大量に用意してもてなします。こういう告知ビジュアルで。

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——かわいいです。みなさん、イベント好きなんですか?

みんな別に大声出して騒ぐタイプじゃないんですが、ワイワイやることは多いですね。いちばん盛り上がるのは夏祭りです。「送り火」の日に、大文字がくっきり見える屋上を開放して、近隣住民のみなさんとビアガーデンをやるんです。

——なんというか、経費の使い方に迷いがないですね。

社員には「経費は湯水のごとく使え」と伝えています。仕事の道具でもなんでも、迷ったらいちばん高いものを買えって。もちろん高いものがいいものとはかぎらないけれど、ウチは京都の数百年つづくような企業さんと向き合うことも多いので、「いいもの」に触れておくことは大切です。みんなでうまいもん食うっていうのも、その一環ですね。

「一緒に100年後を見る」京都でデザインするということ

——Marble.coは京都のデザインオフィスです。デザインの仕事は、たとえば東京や大阪にもあるわけですが、京都ならではの特徴ってあるんでしょうか?

ウチには、遊園地やリアル脱出ゲーム、学校など幅広いデザインの実績がありますが、やっぱり京都特有といえば「老舗」とのお付き合いでしょうね。

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京都にはご存知のとおり、何十年、何百年とつづく企業がたくさんあります。それこそ歴史の教科書に出てきそうな伝統を持つ企業が、そこここにある。逆に聴いてしまうんですけど、そういった企業にどんなイメージがありますか?

——「重厚」とか「格式」とか……あと「厳格」?

でしょう? ぼくもそうおもってました(笑)。でも、実際のところみなさん常に革新的で、頭もすごくやわらかいんです。たとえば格式高いお茶の老舗なのに、「お抹茶はマグカップで点ててもええんですよ」とおっしゃってたり。

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——時代に合わせて変化していくということでしょうか?

そうです。じつは老舗って、決して保守的なわけではないんですよ。その時々であたらしいことをやって革新を起こしつづけたから生き残ってるし、圧倒的な存在になったわけです。

これは、デザインについてもおんなじです。彼らは「老舗っぽい」デザインを嫌がります。あたらしくておもしろいデザインを求めてるんですよ。まだそれがわかってなかったときにコテコテの「THE伝統」みたいなデザインを持って行ったら、担当さんがこうおっしゃって。

「長井さん、うちには“伝統”も“格式”も、もうあるんです。そうやないもんが欲しいから、お願いしてるんです」

——かっこいい……。

冷や汗が出ましたね。なんて恥ずかしいことしたんやろうと。そこから、こころ入れ替えてというか、いちから学び直しました。「教えてください」と言って。おかげで今も、長いお付き合いをしてもらってます。

デザインにおける「革新」は、耳目を集めるだけの「打ち上げ花火」とはちがいます。東京やほかの都市であれば、インパクトを与えることや知名度をあげることが要件として優先されることもありますよね。でも京都の老舗は「ずっとつづくこと」が前提。彼らが求めているのは瞬間風速的な成果ではなく、本質を汲み取った、100年後も成長しつづけるためのデザインなんです。

ということで、冒頭の疑問(「東京や大阪のデザインオフィスとはなにがちがうの?」)にひとことで答えるならば、「ほんものの伝統を持つ企業さんの成長につながる仕事に携われる」というところでしょうか。

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言い換えれば、「企業さんの進化や成長に貢献するデザインを生み出すこと」こそが、マーブルが手がけるデザインのあり方だということです。老舗であれあたらしい会社であれ、大手であれ個人商店であれ、根っこは一緒です。

じっくり長くお付き合いして、一緒に100年後を見る——これはまちがいなく、「京都のデザインオフィスならでは」ですし、東京や大阪とはやっぱりちがうかなとおもいます。

「国語」は、デザイナーの必須教養

——京都ではたらくことの魅力、よくわかりました! 一方、社内はどうですか?マーブルはデザイン会社として、どんな特徴があるんでしょうか?

たくさんありますが、営業のいない、「全員デザイナー」組織なのはひとつの特色ですね。新卒からベテランまで、みんな優秀。たのもしいかぎりです。

中でも取締役の太田は、デザイナーとしてとてつもなくレベルが高いです。あの才能を間近で見せつけられたら、ふつうのデザイナーは耐えられへんとおもいます。ほんとうにハマったもの、これしかないってものを出してくるし、おかしいくらいスピードもはやいですから。一緒にはたらくと、めちゃめちゃ勉強になるとおもいます。

とはいえマーブルはデザイナーに、ぼくや太田のデザインをまねすることは求めていません。それは無理やし、自分なりのやり方を見つけてほしい。

——まだ経験の浅い人の場合は、長井さんや太田さんがアートディレクターを務めるプロジェクトに入って場数を踏んでいくことになりますか?

そういうことももちろんあるんですけど、うち、デザイナーに上下関係がないんですよ。完全フラットで、新卒1年目もぼくも「いちデザイナー」。同じように案を出し、意見を言い合う。それで新人の案がとおって、ぼくがサポートにまわることもめずらしくないですね。

実際、この企画なんかは、入社一年目のデザイナーがロゴやビジュアルをすべて手がけています。

飛鳥の祭2

——すごい! 若いうちから自分の案を形にして世に出していくのはやりがいがあるでしょうね。

そもそも「マーブルらしいデザイン」ってないんですよ。外から見たら「らしさ」があるみたいですけど、実際のところ幅は広いです。イラストをつかった優しいテイストもあれば、かっちりしたデザインも、ゆるいデザインもある。いろんなタイプのデザイナーが活躍しています。

ただ、マーブルで活躍するデザイナーがみんな持っている要素がひとつだけあるんですね。それが、「国語力」です。

——国語、ですか?

もっと正確に言うと、「読解力と表現力」ですかね。「いいデザイナー」にはいろんな姿があるもんですが、これだけは共通しています。「これがないと一緒にははたらけへんな」とジャッジする要素、とも言えます。

たとえば、ぼくらは経営者から直接、「こんな感じのもんをつくってほしい」とざっくり依頼されることも少なくありません。でも、商売やものづくりの才能がある人って独特の言葉で話すから、理解がむずかしかったりする。デザイナーはその中から少ないピースを組み合わせたり要素を補ったりして、全貌をあきらかにする作業に取りかかるわけです。

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言葉を聞いて、理解して、組み立てて、伝える——これ、まさに「読解力と表現力」でしょう。とくにファーストステップである「聞く」能力が低いと、「伝える」到達点も低くなります。意図が汲み取れないと、デザインも迷っちゃうんですよ。逆に、ちゃんと読み解けさえすれば、ある程度方向性は決まるはずです。

——たしかに……取材に先立って事前に社員のみなさんと事務連絡を交わしましたが、みなさんメールが丁寧だしチャーミングで驚きました。そういう背景があったんですね。

褒められた(笑)。ありがとうございます。感覚的には、デザインの能力は引き上げられるけど、国語力は20歳を超えるともう手遅れ。だからぼくは、採用時はなによりも国語力を重視してます。……こういうところを突き詰めると、「マーブルらしいデザイン」になるのかもしれません。

きびしくも、ホワイトな環境

——長井さんとお話していると、目をまっすぐ見てなんでもよどみなく答えてくださるし、頼りがいのある「親分」という感じがします。

職場環境はいいとおもいますよ。最初に言ったようにごはんは食べ放題ですし、完全週休二日制で残業代もちゃんと出すし、書籍代も出すし……こういう話をすると「ホワイト企業やん!」って言われるんですよ。

でも、一方でデザインのクオリティには相当シビアなので、決して「ゆるい」わけではないんです。ぼくも太田も細かいし、きびしい。だって、クライアントである企業さんと一緒にマーブルも成長しつづけたいですからね。

もちろんぼく自身もずっと変化していきたいので、常にあたらしいことをやるようにしています。カフェやコーヒースタンドをはじめたのもそうだし、最近は、長距離の移動が大嫌いなのに海外事業をはじめようとしている。なんにせよ、自分のやり方が通用しないところで腕試ししつづけるつもりです。

——経験のない分野ってことですか? 効率が悪いような……。

いや、その方がそれを好きじゃない人、それの価値がわからん人の気持ちがわかるんですよ。ぜんぜん興味ない人がどうやったら好きになってくれるか、ぼくわかりますもん(笑)。そしてそれは、デザインに活きる。

——長井さんがこれから何をやるか、ご自身ですら読めないんでしょうね。

まさにそうです。幅広いデザインや仕事に携われるし、社長がどんなことをはじめるのかわからない。それが、Marble.coという会社です。すこしは伝わりましたかね? 

京都を拠点に、クライアントさんを成長させていく。そのために自分らもどんどんあたらしいところに出ていく。かっこよく言えば、そんな「変革」しつづけるデザインオフィスでありたいですね。

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(ライティング:田中裕子、写真:桑原雷太、編集:株式会社ツドイ

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