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箱根駅伝特別企画:竹澤健介の箱根路vol.2〜箱根から世界へ、そして箱根に戻って。〜

0.前回の振り返り

こんにちは。前回の記事(箱根駅伝特別企画:竹澤健介の箱根路vol.1)では、竹澤さんのインタビュー記事をお届けしました。前回は、大学1・2年生の箱根駅伝を振り返ってもらいました。前回の記事をまだお読みでない方は、以下のURLからお読みください↓↓

そして、今回の記事では、大学3・4年生の箱根駅伝を振り返ってもらいます 。

竹澤健介さんと言えば、「現役箱根ランナーとして44年ぶりにオリンピックに出場」というのが輝かしい戦績ですが。今回の記事では、まさにその当時のことを振り返ってもらいます。

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1.大学3年生(個人編)〜箱根から世界へver.1

九鬼靖太(以下、九鬼):まずは、大学2年生の箱根駅伝が終わってからのことを聞かせてください。大学2年生の箱根駅伝を区間賞で終えて、その直後にアメリカの試合で10000mを27分45秒59で走って、世界選手権(大阪)の参加標準を突破しました。竹澤さんの中で、このアメリカの試合は、どういう位置付けだったのでしょう?

竹澤健介(以下、竹澤):この試合は、完全に世界陸上の標準記録を切るこのをねらって出場しました。長距離って、天候によって記録が大きく左右されてしまいます。市民ランナーの方だったらよくわかると思うのですが、暑すぎたり寒すぎたり、湿度の問題とか、色々な条件が揃わないと記録ってなかなか出ないんですよね。
そういうことを考えると、記録をねらえる時期があって、冬の始まりと終わりが一番良い季節だと思っています。でも、日本ではなかなか気象条件が安定していなくて、日によって条件にばらつきがあったりして。特に湿度が不安定で、湿度が高いと一気に走れなくなるので、せっかく調整してコンディショニングを高めても記録が出なかったりします。なんか、バクチ的な要素が僕はあんまり好きでなかったですね。それで、気候が安定するアメリカを選んで、レースに出させてもらいました。

九鬼:なるほど。気象条件はわかるのですが、でも実際にレースに出ようと思うと、3ヶ月で箱根から10000mに調整するのって、かなり難しいように思うのですが。距離を変えての挑戦は苦労されましたか?

竹澤:そうですね。箱根駅伝はだいたい20kmくらいで、アメリカで走ったのは10kmだったので、距離としては半分ですよね。この10kmって、結構大きいんですよね。200mの選手も400mを走れっていうと、嫌がるじゃないですか。僕からしたら、あんま変わらないと思っちゃうんですが(笑)。

九鬼:いやいや、200mと400mは全然違います(笑)。短距離選手の感覚からしたら、10kmも20kmも長いんだから一緒でしょ、ってなりますよ(笑)。ランナーの人たちから怒られるかもしれないけど。。。

竹澤:それは激おこされます(笑)。10kmを走ろうとすると、やっぱりスピードが求められるんですよね。でも、箱根駅伝を走る20kmを走るには、ある程度のスピードで押していくっていう能力が重要で。スピードを上げすぎずに、「耐える」っていう表現が僕の中で一番しっくりくる感じです。でも、10kmの場合は、最初からつっこめるというか、より速いスピードが必要になってきます。「スピード回復させる」というのをキーワードにしていました。箱根駅伝のダメージがあって、リカバリーを進めながら、かつスピードトレーニングを組み込まなければいけなかったので、スケジュール的にしんどかったですね。

九鬼:それでも、うまくその調整を成功させて、無事に世界選手権、しかも大阪大会に選考さえれて出場するわけですが。世界大会でのレースの感想とか、教えていただきたいです。

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