映画『ミッシング』試写会in大阪で圧倒され続けた
映画レビューサイトFilmarksさんの試写会に行ってきました☺︎
試写会が始まる前に、主演の石原さとみさん・青木崇高さん・吉田監督によるトークイベントが行われました。
終始和やかでしたが、この映画にかける思いについて伺うと空気は一変しました。
とにかく石原さんの思いが強かったです。
この映画は、石原さんが直々に監督へ逆オファーをして、実現した作品だそうです。
そして現実にも母になり、今回子供が行方不明になった母親を演じておられます。
苦しい思いしかないであろうこの母親役を、自分が母親になってから演じるということがどれだけ大変なことなのか、一般人のわたしでも想像に難くありません。
ただ、だからこそそんな大変な役を、切望した監督の元で撮影できるというのもまた、並々ならぬ覚悟も、幸せもあったのかと思います。
苦しさと喜びと覚悟と幸せ。
これらがあったであろう作品に欠ける思いが、強くならないわけがありません。
そしてそのトークイベントでは『冗談抜きで命懸けで挑んだ作品です。できるだけたくさんの人に届いてほしい』とおっしゃられていました。
『最後には一筋の光が見える』とも。
わたしが感じて記憶している言葉ですので、言い方が多少違うところもあるかもしれませんがご了承ください。
そしてこの強い思いを伺った後に、試写に入りました。
始まってすぐ美しい映像が流れて、心穏やかになるなと思っていたら、急に映像の雰囲気が変わり、やつれた石原さん・青木さんが映し出されました。
そこからは子供が行方不明になった母親を中心に、夫・家族・記者・無関心な人々までが、リアルに描かれていました。
まず、子供の行方不明について扱う作品で、行方不明になった時のことやその背景についてが詳しく描かれていない点が、珍しいなと思いました。
わたし自身が感情移入しやすいので、あまり子供や動物関係の悲しい話題のものは見ないようにしています。
だから知らないだけかもしれませんが、とにかくわたしには珍しいなと感じ、また見やすいなとも思いました。
辛いのはもちろんずっと辛いのですが、感情移入するまもなく皆さんの演技に圧倒され続けたので、逆に見やすかったと思ったのかもしれません。
出てくる人物のどれもがリアルで、いいところも悪いところも出てきます。
めちゃくちゃいい人間も、めちゃくちゃ悪い人間も、実際に登場した人たちの中にはいないように感じました。
みんなが罪悪感を抱き、後悔し、そんな自分なのに自分は人を傷つけてしまう。
その矛盾がリアルで、最初に石原さんが監督の作品について仰っていたのですが、本当にドキュメンタリーを見ているようでした。
その中でもわたしがとんでもなく圧倒されて、今でも目に焼きついて離れないシーンが石原さん演じる沙織里が絶望するシーン。
圧巻でした。
普段私たちが知っているあの美しい石原さとみはどこへ?
見ているこっちもすごく悲痛で苦しくて、でも圧倒されすぎて涙も出ない。
二度と見たくないと思ってしまうけど、わたしの人生の中で一番記憶に残るシーンだったと思います。
それほどまでに衝撃でした。
でも、この作品のすごいところは苦しいところばかりじゃないんですよね。
もちろん苦しいんですけど、温かい苦しさというものも感じました。
それは青木さん演じる夫・豊の号泣シーン。
本当にこの方はすごいですね。
わたしがすごいなんて評価をつけられる人間ではないですが、本当にすごいんですよ。
もちろん圧倒されるし、心を揺さぶられるんですよね。
まさにキャッチコピー通り『心揺れるミッシング』です。
感情的になってしまう沙織里に代わり、冷静であろうとする豊が見せた涙が、どれほどの意味を為すか。
映画を見ていたら、すごくすごく伝わってきます。
映画中は圧倒されっぱなしで涙が一滴も出る余裕がなかったのですが、帰り道に思い返して泣きそうになったのはこの2つのシーンでした。
このお二人がご夫婦役で良かったなと思います。
わたし個人の意見ですが、心揺さぶられたのがお二人のシーンなんですから。
もちろん他の登場人物も一人一人お話ししたいぐらいどこにでもいるんです。
いい意味で普通の人間なんです。
だからこそ映画に引き込まれたし、共感できたし、辛かった。
一口に暗い映画とも言えないのですが、テーマは暗く重いです。
でもわたしはそれよりも圧倒され、言葉にはできないけどなんかすごいというのが見終わってすぐの感想でした。
心の中に重さはなく、ここまで圧倒されると爽快感さえ感じてしまうというのが一番の感想です。
だから、石原さんがおっしゃるように本当にたくさんの人に届いてほしいです。
お子さんがいらっしゃる方は無理していただきたくないのですが、できるだけ多くの方に見ていただきたい。
本当にすごかった。
わたしはこの映画を見ることができて本当に良かったと思っています。
石原さんのことが大好きで新境地も見てみたいけど、重いと思ったままだったら自ら進んでみることはできていなかったかもしれません。
試写会に当たったから観ることができて、そのことにもすごくすごく感謝しています。
本当に人生変わるぐらい観て良かったと、強く言える作品に出会えたのですから。
わたしの熱い思いはこのぐらいにして。
暗い重いのが苦手なわたしが、心からおすすめする映画『ミッシング』ぜひ劇場でご覧ください。
5/17(金)公開です。
最後に中村倫也さん演じる記者・砂田さんの言葉で、心に残ったものをお届けして終わりにしたいと思います。
『考えるすぎるぐらい考えましょうよ』
最後まで読んでいただきありがとうございました☺︎
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