世界のコーヒー消費が過去最高に
米農務省(USDA)は2023年6月22日、2023~24年度の世界のコーヒー消費量は1億7023万3000袋(1袋=60キロ)との予測を公表しました。前年度比1.2%増え、過去最高となります。主要消費地である欧米の需要が堅調に推移すると見込んでいます。輸出量も、最大生産国であるブラジルからの供給が伸び、4.3%増の1億4609万5000袋と、過去最高の見通しを示しています。この5年間を見ると、中国の消費が急増しており、存在感をじわりと高めています。
コーヒー年度は多くの国では10~9月ですが、ブラジルやフィリピンは7~6月、インドネシアは4~3月など国によって少し異なっています。
消費量を国・地域別にみると、首位の欧州連合(EU)が2.4%増の4200万袋で、2~5位は米国が3.7%増の2730万袋、ブラジルが0.5%増の2256万袋、日本が0.7%減の710万袋、フィリピンが3.0%減の695万袋などとなっています。
この5年間で主要国・地域はおおむね横ばいか微減となっていますが、7位の中国(前年度比2.1%増の490万袋)はこの5年で1.6倍に急増し、2018~19年度の11位から順位を上げています。日本は同じ5年間で6.6%減少しており、コーヒー離れが少しずつ進んでいるようです。
世界全体の生産量は2.5%増の1億7434万袋とUSDAは予測しました。ブラジルなど中南米産が多いアラビカ種が前年度比9.6%増の9632万5000袋、ベトナムやインドネシアなどアジア産が多いロブスタ種が2.4%減の7801万5000袋となっています。
両方を合わせた生産量を国別に見ると、首位のブラジルが6.1%増の6640万袋、ベトナムが5.2%増の3130万袋、コロンビアが2.7%増の1160万袋、インドネシアが18.1%減の970万袋、エチオピアが1.0%増の835万袋などとなっています。インドネシアは降雨が多くて不作の可能性が強まっているのに対し、ブラジルやベトナムは天候に恵まれて豊作が見込まれています。
輸出量の内訳は、ブラジルが豊作を追い風に23.8%増の4535万袋と急増を見込んでいます。ベトナムが4.8%減の2750万袋、コロンビアが1.7%増の1201万袋などとなりました。
世界全体の輸入量は4.0%増の1億4224万2000袋と見込んでいます。最大消費国のEUが6.7%増の4750万袋、2位の米国が10.6%増の2832万5000袋、3位の日本が3.8%増の680万袋、フィリピンが4.4%減の630万袋、カナダが3.9%増の570万袋などとなりました。
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