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地図を使ったストーリーテリングで湿地帯を救う - カナダの小学生によるプロジェクト | Built With Mapbox

カナダ・オンタリオ州ダラム地区のとある小学7年生(*1)のクラスは、地図を効果的に活用することで、保護されている湿地帯を守りました。彼らは、ダフィンズ・クリーク湿地帯における州政府の開発計画に対して、その計画が中止されるほどの十分な市民の反対を集めるために、ストーリーテリング・マップを作成しました。

*1 日本では中学1~2年生に該当

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DDSB@Home小学校のアリソン・エルウッド先生は、7年生のオンライン授業で、地元の開発問題を調べることで興味を持たせる方法を探していました。2020年10月、授業の中で、オンタリオ州政府が倉庫での雇用を創出するために、特別令を使って保護された湿地帯での開発を許可しているという記事を読みました。

その後生徒たちは、湿地帯の生態系の重要性、ゾーニングのプロセス、倉庫開発の必要性について調べました。また、選挙で選ばれた議員や、都市計画家、先住民のリーダー、環境保護団体などに手紙を書き、インタビューを行いました。その結果、彼らは倉庫開発に反対することを決め、自分たちの懸念を共有して、意識を高めることで湿地帯の破壊を止めるための署名活動を始めることにしました。

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湿地帯のストーリーと調査結果を伝えるため、生徒たちはEsri GISアンバサダーのボランティアであるコナー・ヒューストン氏の助けを借りて、ストーリーテリング・マップを作ることにしました。

コナー・ヒューストン氏(Esri GISアンバサダー)「先生と話し、生徒のスキルを把握した結果、数名はコーディングの経験があり、さらに学びたいということだったので、ストーリーテリング・マップにはMapboxを使用することにしました。」

コナー氏と生徒たちは一緒に、Mapboxが公開しているストーリーテリングのテンプレートjsfiddleを使ってマップのデザインとコーディングに取り組み、最終的に完成したマップをGitHubページにホスティングしました。また彼らは、Ontario Geo Hubからオープンデータをダウンロードし、QGISを使ってデータを特定のエリアに絞り込みました。その後、データをカスタムレイヤーとしてMapbox Studioにアップロードし、可視化を行いました。生徒とコナー氏は様々なベースマップのオプションについて議論した結果、背景をより鮮やかにするために緑色の色彩を少し強調したMapbox Satelliteを採用することにしました。

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生徒たちがこのマップを他の生徒や保護者、一般の人々に紹介すると、関心が高まりました。口コミでマップが広く共有されたことで、生徒たちが政府に提出した請願書には十分な署名が集まり、オンタリオ州議会で請願書が読み上げられました。アマゾンの広報担当者は州の重要な湿地帯に倉庫を建設しないことを発表し、倉庫の開発業者はその地域を開発しないことを約束しました。最終的に、地域住民の声により、オンタリオ州政府は特別令を撤回し、湿地帯を救うことができました。

アリソン・エルウッド氏(DDSB@Home小学校)「Mapboxのツールは、生徒たちが問題や自分たちのコミュニティと強いつながりを持つのに役立ちました。また、彼らが魅力的で刺激的な方法でストーリーを共有するのに役立ちました。」

アリソン氏と彼女の担当クラスは、今後も地域の水問題について学習を続け、ロケーションツールを使ってストーリーの中での自分たちの位置を探り、独自の方法で環境とのつながりを持つことを計画しています。例えば、Mississaugas of Scugog Island First Nationとのコラボレーションでは、Native Landのデータを使って条約関係の歴史と意味をさらに理解することができました。

コナー・ヒューストン氏(Esri GISアンバサダー)「生徒たちに調査をさせ、マップを使って自分たちが住んでいる場所との関連性を探らせます。地元の問題をテーマにすることで、生徒たちはやる気を持って取り組んでくれました。また、自分の家や学校がマップ上に表現されているのを見るのが好きなのです。」


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