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まるで別世界

先日、原美術館へ小瀬村真美さんの展示を見に行く途中、京王のビルを撮っていた。忘れていたけど撮ってた。

contax T3の中身がneopanSSということをすっかり忘れていて、青色の空とビルの感じがよかったのでカラーのつもりで撮ったと思っていた。

さて、小瀬村真美さんの展示は非常に興味深かった。「Veil」のシリーズが素敵。カーテンや布を撮影するのが好きな私は、少しだけ揺れるヴェールが何かを予感させるような雰囲気があって目を引いた。ポール・オースターの詩集の抜粋も気になって、本を買おうと思っている。

ちょっと霊的な感じがして、怖かった。五感以上のもの、いわゆる第六感をビシビシ感じてしまい、直視できない作品もあった。真正面から首筋に研がれたナイフを突きつけられているみたい。少しでもバランスを崩したら、そのナイフが肌を貫く。だから慎重に見なければならず、それが私にはとても難しいので直視できなかった。真夏だったけど、美術館内にいるときは心身共に冷却された。精神状態が冷たくなって、静かになった。だから、なんだかよくわからない、と怖くなった。人は経験したことのないものに、怖くなる。

この日、珍しく2台持っていて、ミノルタオートコードの方はカラーネガを入れていた。私は展示の帰りにも撮ったらしい。

暑いのによく歩いたな。

行きと帰りで別の方向から撮影したのもあって、雰囲気がガラリと変わる。カメラも違うしネガも違うし太陽の位置も違うし。それ以上に、何か変わったような気もする。

行きと帰りで、まるで別世界。

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