スターバックスから ゆとりを考える
大人になったばかりの頃、都会にはスターバックスコーヒーが次々と出現して、なんておしゃれなお店なんだろうと憧れていた。
都会へは洋服を買うために車や電車で1時間くらい使って行き、その休憩にスターバックスにはよく立ち寄っていたし、旅先には緑のマーメイドを探し歩いた。
どのお店に行ってもスタッフの人たちが、笑顔でいきいきと輝いてみえた。それをずっと不思議に思っていたある日、スタッフのおねえさんに尋ねてみた。
「スタバで働いていて楽しいですか?」
おねえさんは「楽しいですよ」と笑顔で返してくれた。
ここから私の夢は「スターバックスで働くこと」になった。
その夢を叶えたのは26歳のとき。
25歳で会社を辞めて地元を離れ、ボラバイトがいち段落したその流れで東京のシェアハウスを借りることにした。
ボラバイトで東京出身の何人かと仲良くなったので、一か月くらい東京で生活してから地元に帰ろう。そんなノリだった。
東京に一か月もいて退屈にならないかな。じゃあ、バイトでもしよう。
あ、それならスターバックスがいいな!
と、シェアハウスから近いお店を東京出身の友達に聞いて、シェアハウス入居の日にお目当てのスターバックスへ直行。下見だけのつもりだったが、お店の雰囲気がよかったのでそのまま面接の申し込みをした。
こんな流れでアルバイト入社を果たして、わたしはパートナー(スタッフ)になった。
ちょうど入社の年がスターバックス日本上陸10周年で、その記念のムック本が翌年発売された。スターバックス信者だったわたしはそれをすぐに買った。
スターバックス大解剖 だ。
あと数年で30周年なので、もう20年くらい前の情報だ。
久しぶりに何気なく手に取ってぱらぱらとページをめくる。
著名人やパートナーの写真に言葉、コーヒーやドリンクの解説、日本のスターバックスのそれまでの歴史が並ぶ。
その中でもパートナーのエッセイが、何よりもスターバックスらしくてすきなのだ。
阿部佐知子さんの「おじさまのゆとり」というエッセイ。
少し紹介する。
ああ、やっぱり気持ちにゆとりがないと人生楽しめないんだな。
スターバックスで働いているときは、正直ゆとりはなかったが楽しかった。
毎月赤字で会社員時代の貯金はどんどん無くなっていったが、天職だと思っていた。
異動を重ねて、職位も上がって、最後は正社員になった。
上司と合わなくて調子を崩して退職した。
どんな仕事でもゆとりがあれば人生を楽しめる。
時間のゆとり、気持ちのゆとり、お金のゆとり。
スターバックスから離れて10年。
あの頃より、自分自身を俯瞰できている。
40代は人生の折り返し。
ゆとりのある人生を楽しみたい。
サムネイル画像は最後に働いたお店でキャンドルナイトをしたときのもの。
お気に入り写真だ。
コーヒーセミナーも楽しかった、、な。
スターバックス時代の前はこちら。