#40 プロセス編 ジュエリーブランド3年目の振り返り そのⅣ 初の個展
[個展をやってみて]
目標達成は勢いが大事
2020年10月に設立したジュエリーブランドMaoBissLupin(マオビスルピン)。
準備は同年4月からスタートし、約半年が準備期間。
ブランド発表の一月後に初めての展示会をした。
半年という、準備期間はかなり短いが、頭の中での構想は数年かけていたので、作業面での稼働期間のこと。
彫金を習っていた経験から、ジュエリーの基礎知識はある程度持っていたので、あとはマーケティングのこと、資金調達、ロゴ制作、ジュエリーのデザインと制作、取引先開拓、販路開拓。
このあたりを重点的にリストアップし、虎視眈々と実行したのであった。
全てがスムーズというわけではなかったけれど、とにかく目標が見えたからには、あとはそれを「いつ」アウトプットするかが重要だった。
10月18日というのが、自分の中で縁のある日だったので、この日を設立日とすることにした。
本当はこの日にオンラインストアをオープンしてから、少しずつ販路開拓と認知拡大をしていくつもりだったのだが、クリスマスシーズンということもあり、同年夏に急遽、展示会も一緒にしてみようと決めた。
まだその時点では、ほとんど形になっていなかったが、タスクが多すぎて何から手をつけていいか分からない状況でもあり、目標×時期を定めることで自分を追い込むことにした。
正直間に合うか不安はかなり大きかったが、個展をイメージすることで、必然的にやるべきことと、その順番が明確になり、追い込みに成功した。
完璧の優先度はおもてなし
前述の様に、短い期間の準備であったが、時間があれば完璧に出来るというわけでもない。
特にスタートアップの段階は、全てが手作り状態なので、何が正解かもやってみないとわからないところが大いにある。
作品も、コンセプトも、設営も、空間演出も、ディスプレイも全て、完璧ではなかったと思う。
だけど、お客様をもてなす(楽しんで頂く)演出とサービスは最優先に、「完璧」を努めようと準備に励んだ。
コロナ禍ということもある中で、まだ誰も知らない作品を見るために、わざわざ時間を作って足を運んで頂くこと。
そんなお客様とは、1分でも長く個別対応でお話がしたかったし、作品に対する想いを伝えたかった。
なので、失礼のない様に、予約制にすることで、1組1組ゆっくりと見て頂けるようにした。
そして、会場ではその時間帯で一緒になったお客様同士が会話できるように、作品の「どれが好きか投票」や、クリスマスツリーの横に撮影ブース、お子様用のお菓子バスケットなども用意し、ジュエリーを見る以外の楽しみを工夫をした。
沢山の友人らも駆けつけてくれ、また前職、前々職の顧客様もご来場頂き、逆サプライズをして頂いたり、笑いあり、涙ありの、最高で最強の幸せなひと時だった。
一段一段丁寧に
この初個展は、ジュエリーアーティストとしてのスタートだけでなく、人生レベルにおいても最高に幸せの瞬間だったと思う。
売上より何より、こんなにも自分のことや自分の作品を応援してくれるお客様がいる。
激励してくれる友人がいる。
見守って理解してくれる家族がいる。
自分はなんて幸せものなのだろうと、改めて実感したと同時に、この気持ちは絶対に忘れてはいけないと胸に刻んだ。
これから先、ブランドを大きくしていくことは簡単ではないだろう。
だけど、手探りでも着実に上がって、見える景色が変わったとしても、この展示会でみた景色は一生忘れてはいけないと誓った。
一段一段丁寧に。
自分を支えてくれる周りの方々に感謝し、応援してくれる全ての人に敬意を表して。