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読書感想文『杉原千畝 情報に賭けた外交官』白石仁章

『杉原千畝 情報に賭けた外交官』白石仁章、読み終えました。

杉原は岐阜県出身で、名古屋市内の中学(現在の高校)に通った人。中部地方にゆかりがあるので、親近感を感じてました。

この人の名前を聞くと、ユダヤ人、命のビザといった言葉が思い浮かびます。多くの人命を救った、いわばヒューマニストとしての姿です。

この本では外交官、優秀なインテリジェンス・オフィサーとしての杉原に光を当てています。
ときに危険を冒してでも手に入れた貴重な情報。それが本国(日本)で活かされることなく、戦争へ突き進んでいく様子は読んでいてやるせなかったです。最前線の意見が政治に反映されないのは、昔も今も変わらないなぁ…と感じたり。
情報のプロフェッショナル、杉原自身はさぞかし無念だったことでしょう。

戦後、杉原は退官。80代で亡くなるまで、多くを語らなかったそうです。もちろん自分が成したことをひけらかす様なこともなく。きっと謙虚で慎ましい、実直な人だったんでしょうね。

次に読むのは『落日燃ゆ』。外交官出身で首相や外相を務めた広田弘毅を描いた作品です。作者の城山三郎さんは大好きな作家。楽しみです。

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