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コラージュという魔法


現代絵画の技法ひとつにコラージュという技法がある。

知ってる方も多いと思うけど、

コラージュとは、簡単に言えば元々はばらばらだった素材を組み合わせて新たなものを作ること。

既存の写真や記事からの切り抜きを使って新たな作品を作ったり、または既存の写真自体に絵や別の写真を加えたりして作品を作ることだ。

この技法の起源はあのパブロ・ピカソだったりするんだけど、今では世界の様々なジャンルの芸術家達がこの技法を使って、日々新しい作品を生み出している。


僕もこのコラージュという魔力的な魅力に取り憑かれた一人で、今も、絵や映像のコラージュ作品を観るとワクワクが止まらない。

実は自分の作品でもNOVELS「ミッシングリンク(シングルver.)」のジャケットなどはその技法を使っていたりする。あぁ懐かしい…。メンバーに手伝ってもらって切り抜きしたなぁ、アナログなハサミ作業って性格出るんだよね。吉田苦労してたなぁ。

…まぁとにかく

この技法にはものすごい可能性と、引力のように人の目を惹きつける力を感じるのだ。

一方でコラージュ作品は風刺的なものが結構多かったりもして、それが醍醐味という見方もあり、賛否が分かれるという面もあるんだけど(そういったものも含めて僕は好きなんですがね)

中でもおすすめは

チェコの映像作家、ヤンシュヴァンクマイエル
ヤンの作品はコラージュという技法を多用している。

前にもどこかで紹介したことあると思うんだけど、とにかくヤンは凄いんだよヤンは(何せ超好きなんですいません)

毎作品、想像を軽く超えてくるその芸術性に度肝を抜かれてるんだけど、
少し前の2010年に公開された、彼の集大成とも言える映像作品、「サヴァイヴィング ライフ」はその中でも鳥肌ものだった。稲妻に貫かれたみたいだった。

もうこの好きさは恋だと思う。恋。
本当に尊敬する唯一無二のコラージュニストです。

知らない人、時間があったら観てみて。ハート撃ち抜かれるから。

むしろまだこれからヤンの世界に初めて飛び込んで、驚きの体験ができるってこと自体が羨ましい!


さて、もうめっちゃここまでコラージュコラージュ書いてるけど、

そもそも根っこの部分で、一体なんでこんなにコラージュ作品に胸のときめきが抑えられないのか?

最近それを自問自答してみたところ、単純に組み合わせ方の奇抜さや、その奇妙な見た目もさることながら、なんか自分にはコラージュって様々な素材の思念みたいなものが集まって、新しい何かに向かってスクラムを組んでるように感じられるんですよ。

例えて言うなら、普段は特に仲良しといったわけではない、のび太、ジャイアン、スネちゃま達が、映画のような特別なシチュエーションになると途端に力を合わせて立ち向かうというあの感じに近いかもしれない。

だから実はコラージュという技法を使っているっぽいもの、コラージュの匂いがするものは絵や映像だけに留まらず全て好きなのだということにも気がついた。

「既存の素材を組み合わせて新たなものを創造をする」という枠内で考えてみると、料理とかもそうだし、服飾もそうかもしれない。

以前、建築士の方に、ヨーロッパの古城を解体する際に出る瓦礫からレンガを買って来て、こっちの建物に使ったりしているという話を聞いたことがある。言ってみればこれもコラージュだ。

既存の素材に敬意を払いながら、それらに自分の感性をプラスして新しい価値を生み出す。

対音楽で考えると、パッと思い浮かぶものとしてはDJがそれに近いような気もするけど、案外作曲家も良い意味でコラージュに近いことをやってると思う。

「音楽を作るにはまず他人の音楽を沢山聴かなければ作れない」という概念があることがそのいい証拠だ。

自分も曲を作るときは様々なジャンルの音楽を沢山聴いて、作曲に入る3日前くらいにその聴く作業をパッとやめ、それまでに自分の中に蓄積させた素材を掻き混ぜて再構築し、曲を作り、歌詞をつける。という作業がライフワークになってたし、その流れをアーティスト仲間達ともよく、作曲あるあるネタとして話したりしてた。

コラージュって考えれば考えるほど、実はどんなジャンルの職業にも適応するものだと思う。

自分が今やってる小説を書くという作業もそうだけど、
他人のしたことや、創り出したものをまず見て、認め、学んで、その後に自分がどう想うかという一連の流れは、人間にとってとてつもなく大事なことなんじゃないかな。

要は

他者の世界に触れることによって自分の世界の位置を知る

という作業が必要で。

(あ、自分の世界を測るのはダメよ、位置を知りゃそれでいい。測り出しちゃうと他者と自分を比較してブラックホールに引きずり込まれるからね)

これが出来ないとアーティストとは言えないと思うのです。
逆に言えばこれが出来れば誰でもアーティストなんじゃないかな?とも思う。

アートは、見てくれる人、そこにあることを認めてくれる人がいて初めて成り立つからね。

「我思う故に我あり」からは一歩先の話なのだ。


馬鹿らしいくらいでかい話だけど、 

この地球そのものがもしかしたらコラージュアートなのかもね

だって

「アート」は英語で「art」

これの前後に

「elements(要素)」の「e」と「herd(群れ)」の「h」を足して

「earth」になるんですから。


うそです。ごめんなさい。今作りました。



さて、

いよいよ前半最後となる、

We Are All Mad Here!第3章は
明日、木曜日18時に追加公開します。

これから読まれる方、序章だけ読んで、まだどうしようか悩んでる方、
We are〜には、曲にしきれなかったドラマがあります、僕がずっと伝えたいと思っていた世界と、想いが詰め込まれてます。

そして第3章では遂に、主人公の孝宏に奇妙な手紙を送った犯人が明白になります。
少しでも興味があれば時間がある時に少しずつでもいい、是非本編に触れてみて下さい。
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