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幻想的な湿地帯「カマルグ」を白馬に乗って歩く

独特な地形の湿地帯

カマルグは、ヨーロッパ最大規模の湿地帯です。
グラン・ローヌ川とプティ・ローヌ川、地中海に囲まれた3角のエリアで、カマルグ地域自然公園にあります。ローヌ川が何千年にもわたって運んだ土砂が土壌となり、独特の景色が広がっています。

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地図で見ると、湖や池が点々としていて、いまにも地中海に沈みそう(沈みません)。海の側の塩田は、ほんのりピンク色。フランスで唯一の水田もあります。
フラミンゴをはじめ数百種類の野鳥、黒牛、白い馬など、カマルグならではの生き物が生息していて、国立自然保護地域や地方自然公園、UNESCOの生物圏保護区に指定されています。
今回は、最も湖や池の多いエリアを紹介します。

王子様のようなカマルグ馬

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アルルを車で南下しカマルグに近づくと、カマルグ馬といわれる白馬をたくさん見かけるようになります。「白馬の王子様」なんて言い方がありますが、エレガントで馬の方が王子様のような雰囲気。草原をかける姿はハッと目を引きます。

沼地が多いカマルグでは、車ではなくカマルグ馬で移動する習慣があり、ガルディアンという現役のカウボーイが暮らしているそう。観光客向けに乗馬体験ができる牧場がいくつもあります。

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後日、私も白馬に乗りました。

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初めての乗馬でしたが、フランス語で説明を受け、何と言われているのかよくわからないまま出発しました。案外どうにかなるもので、車では入れない湿地帯の奥地を歩き、海辺を走りました。目線が高くなって景色はいいし、風を切るのも気持ちがいい。歩くたびに馬の背中の筋肉のうねりが伝わってきます。落馬しないように、片手でたて髪をつかみながら乗るんですが、このたて髪が風になびいて優雅なんです。おかげで馬が大好きになりました。
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鏡のように空を映す水面

池や湖のすぐ脇を走る道では、スピードを緩めずにはいられません。
何度も車の窓を開けてカメラをかまえました。

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水面が空を反射して、まるで水の鏡です。
夕暮れが近づき、桃色に染まり始めると水面も染まって幻想的。

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水辺にはサギやカモ、白鳥などの水鳥がいます。残念ながら、この日はフラミンゴの群れは見つけられできませんでした。フラミンゴは冬季はアフリカ大陸へ渡りますが、カマルグに残るフラミンゴもかなりいるそうです。

やがて太陽が水平線の向こうへ傾き、空も水面も赤く染まりました。民家はほとんどないため、辺りに人工の明かりはないし、車も時々すれ違う程度。
鳥の鳴き声や風の音しかしない、静かな夕暮れです。

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刻々と変化していく空と湖の色。どの瞬間も美しくて見逃せません。

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日が沈んだ後もしばらく明るく、辺りは薄紫に染まります。
水墨画のように繊細な濃淡。美しさに心が洗われます。

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カマルグのお土産

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カマルグでは、ローマ時代から塩の採取が行われてきました。
なかでも「フルール・ド・セル(Fleur de Sel 日本語で塩の花)」、もしくは「ペルル・ド・セル(Perle de sel 塩の真珠)」と名づられたものは、高級塩として有名です。塩田で海水を天日干しをした際、最初に水面に現れた結晶を使用しているのだそう。このフルール・ド・セルは日本でも成城石井などで売っています。
またカマルグでは地形を活かして稲作をしており、日本酒もつくられています。一度飲んだことがありますが、甘くてフルーティーなワインのような味でした。

カマルグは動物たちの美しい楽園です。
恥ずかしながら、私はこんな広大な湿地帯が存在することさえ、知りませんでした。世界は広くて、知らないことがまだまだたくさんあるんだなと、改めて感じた旅でした。




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